国土交通省が“令和元年空き家所有者実態調査”を発表しました。2018年に行った住宅・土地統計調査から無作為に調査区を抽出して、居住世帯のない住宅を所有していると回答した世帯を対象に調査が行われました。
空家の所有者の実態と見てみましょう。
| 空き家の使われ方は?
住居に利用していない空き家にはいろいろな利用方法があります。たとえば、物置にしたり別荘にしたり貸家にしたりといった具合です。実際にはどのような使われ方をしているのでしょうか。
1位 物置、取壊し予定、長期不在など 52.8%
2位 セカンドハウスとして利用 25.8%
3位 売却用 12.8%
4位 賃貸用 4.4%
半数以上が空き家としてそのまま放置されているようです。特に昭和55年までに建てられた旧耐震構造の家は半数以上が放置されています。2000年以降に建てられた家は6割以上が別荘やセカンドハウスとして利用されています。比較的新しくてきれいな家は自分でも使うけれども古い家はどうしようもないというのが実情のようです。
| 空き家の取得方法は?
空き家の取得方法は半数以上が相続になっています。昭和55年までの旧耐震構造の家は半数以上が相続で取得しています。古くなるほど相続での取得が増えていますが、特に昭和25年以前に建てられた家は78%が相続での取得です。逆に、2000年以降に建てられた家は4割以上で新築・建て替えでの取得です。相続での取得は2~3割になっています。
空き家を取得したときに名義変更や新規登記をしているのは76%にもなっています。ただ、相続では名義変更等をしていない家が17%もあります。相続をした家のうち1/6が名義変更をしていないことになります。特に、古い家になるほど名義変更等をしていないようです。昭和45年以前に建てられた家では18%以上になっています。
名義変更等をしない理由としては、特に困らないという人が高齢になるほど高くなっています。85歳以上では85%もの人が特に困らないという理由で名義変更等をしていないようです。その他の理由としては、手続が煩わしい(16%)、費用の負担感が大きい(9%)になっています。
| 空き家は誰が管理してるの?
放置している空き家が多いとしても、誰も管理していないと朽ちていくだけですぐに廃墟になってしまいます。いったい誰が管理をしているのでしょうか。
最も多いのが所有者や同居している家族です。77%以上が家族で管理しているようです。所有者と同居していない家族が管理をしている場合もあります(10%)。少数派としては、不動産業者や管理会社など、自治会や近所の人があります。中には誰も管理していない物件もあるようです(3%)。
管理の頻度は月に数回までが36%、年に数回までが24%になっています。管理面での心配事は、住宅の腐朽・破損が最も多く、次いで樹木・雑草、不審者の侵入・放火、地震・豪雪などによる損壊・倒壊と続いています。
| まとめ
1 空き家は放置されている物件が多い!
2 空き家の取得は相続が半数以上!
3 空き家の管理は所有者や家族がほとんど!