職場が住居に近いと便利になって充実した生活を送れそうです。実際に都会の中心部には新築のマンションが多く売り出され、多くの方が利便性の高い生活を営まれています。
そこで、今回は職住近接のメリットとデメリットについて書きたいと思います。
| 職住近接とは
職住近接とは、職場と住居が近いことです。国土交通省は、職場の近くに住むことで通勤時間の短縮や満員電車の解消を目指しています。また、都市づくりとしても職場と住居の均衡を推進しています。
このような施策が推進される背景には、通勤時間帯の交通機関の乗車率があります。大阪圏では125%の乗車率だとされています。東京圏では163%、名古屋圏では131%とされていて、大阪圏の乗車率よりも高くなっています。大阪でもあれだけ混んでいるのに、東京や名古屋はもっと混んでいるんですね。
特に、東京では電車を何本か待たないと乗車できなかったり、入場制限がされていてホームに行けなかったりといったことはよくあるそうです。さらに、大阪に比べて通勤時間も長いですから、東京で暮らすことは大変だと分かります。
このような背景から、国土交通省ではオフピーク通勤と併せて職住近接の推進も図られています。
| 職住近接のメリット
職住近接には多くのメリットがあります。サラリーマンにとってのメリットはもちろんのこと、勤め先である企業にとってもメリットがあると言われています。その中からいくつかをピックアップしたいと思います。
1 通勤によるストレスや疲労の軽減
不快な満員電車に何十分も揺られることなく通勤ができるとストレスはかなり軽減されるのではないでしょうか。企業にとっても朝からストレスのない従業員が増えれば生産性の向上が期待できます。
2 時短勤務の減少
子育て世代で働いている方は時短勤務をしている方が多くいらっしゃいます。通勤時間が少なくなれば、通勤に費やしていた時間を勤務に充てることができます。場合によっては時短勤務からフルタイムでの就業も可能になります。
就業時間が増えれば生産性が上がりますので企業にとっては喜ばしいメリットです。
3 採用時のアピール
従業員はなるべく近くの職場を希望しています。新規の雇用者を採用するときに職住近接になる転居の補助や家賃補助があれば、応募者の入社動機の一つになりますし、入社後の集魚意欲の向上にもつながる可能性があります。
4 プライベートの充実
通勤時間が短くなると、家を出る時間が遅くなりますし帰宅の時間が速くなります。空いた時間を自由に使うことができますので、資格取得に使ったり家事や育児に充てたりすることもできます。片道1時間の通勤時間が片道15分になれば、毎日1時間30分の自由時間を確保することができます。プライベートが充実すると離職率の改善にも有効です。
| 職住近接のデメリット
メリットがあればデメリットもあります。ここでは3つ挙げたいと思います。
1 家賃の高騰
オフィスが街中にある場合、職住近接による家賃の相場も高くなります。大阪で考えますと、キタやミナミの近くに住むとなると、一人暮らしでも10万円程度の家賃を覚悟しなければいけません。家賃は手取りの30%程度が理想ですので、家賃10万円のマンションに入居するには手取りで30万円の給与が必要になります。
2 転勤・異動
事務所がいくつかある企業では頻繁に転勤があります。片道1時間程度の転勤であれば転居をせずに通勤することになると思います。大阪からだと神戸や京都は通勤圏ですね。このような場合にも職住近接を重視して転居するとなると引越費用がかさんでしまいます。
3 子育て環境
子育ての環境は地域によって異なります。事務所のある地域が従業員とその家族にとって理想的な環境であれば職住近接を勧めることができます。しかし、都会の中心部にある事務所の場合、昼間人口が少ないため保育園の数が少なく入園が厳しい可能性があります。反面、学校は公立でも私立でも選択肢が多く通いやすくなることが多いです。
| まとめ
1 職住近接のメリットは通勤時間の軽減!
2 職住近接のデメリットは家賃と環境!
3 働き方の価値観へ対応した対策が重要!