遺産分割協議書は自分で作れる?(戸籍収集のコツ編)

親が亡くなって遺産を相続することになった場合、相続人で遺産を分け合います。遺産には分けやすいものだけでなく、不動産などの分けにくいものもあります。これらをどうするか、だれがどれだけ相続するかを決めるのが遺産分割協議です。

では、遺産分割協議の書面、遺産分割協議書を自分で作るにはどうしたらいいのでしょうか。

 

 

| 遺産分割の手順

 

1 相続人の確定

遺産分割協議書を作成するには、まず遺産分割が整わなければいけません。遺産分割協議の結果を記したのが遺産分割協議書だからです。

遺産分割は相続人全員で行います。ということは、だれが相続人であるのかを確定しなければいけません。

2 相続人の確定方法

相続人を確定するには、亡くなった方が生まれた時から死亡するまでの戸籍をすべて集めます。本籍が変わっていなければ簡単に揃います。ただ、婚姻をすると新戸籍が作られますから、多くの人は2つ以上の戸籍を集めることになります。

本籍が分かっている場合には、本籍地の市役所から戸籍を取り寄せます。郵送でもOKです。必要書類は次のものです。市役所によって必要書類が異なる場合があります。

(1) 交付請求申請書

役所に置いてある申請書とほぼ同じものです。郵送で取り寄せる場合には少し内容が変わっている場合があります。市役所のホームページからダウンロードできるようになっています。

ダウンロードができない場合には、便せんに次のことを書いていれば大体OKです。

(あ)手続きをする相続人の住所・氏名・日中の連絡先(電話番号)

(い)取り寄せる戸籍の種類(戸籍・改製原戸籍・除籍)と必要枚数

(う)亡くなった方の本籍地、筆頭者、手続きをする相続人と筆頭者との続柄

(え)具体的な使用目的(例:相続人確定のため)、提出先

(2) 亡くなった方とあなたの関係性が分かる戸籍

亡くなった方が親の場合には、取り寄せる手続きをする相続人の戸籍のコピーでOKです。そこに父親または母親が誰であるかが記載されていますので、これだけで相続人であることを証明できます。

亡くなった方が兄弟の場合には、取り寄せる手続きをする相続人の戸籍だけでは足りません。親の謄本を取得してください。そこに亡くなった方とあなたが兄弟であることが記載されています。

(3) 手数料分の定額小為替

定額小為替は郵便局で購入できます。購入すると、定額小為替(大きい方)と領収書(小さい方)をもらいます。大きい方を送ります。受け取ったまま何も書かずに送付してください。

定額小為替はいくらかの金額の設定があります。1枚当たりの発行手数料は200円です。

たとえば、3000円分を郵送するとすると、1000円×3枚=3000円分になります。これに発行手数料200円/枚がかかりますから、手数料は200円×3=600円になります。

郵送での戸籍の取り寄せをするときは多くの役所で3000円分の定額小為替を送るように指示されます。除籍謄本の取得費用は市区町村によって異なりますが、多くは1通750円です。3000円分は除籍謄本4通分です。

もし、おつりが発生する場合には、定額小為替でおつり分を送ってくれます。例えば、3000円分送ったけれど除籍謄本が1通しかなかった場合、除籍謄本と一緒に2250円分が定額小為替で送り返されてきます。1000円×2枚+250円×1枚という場合もありますし、750円×3枚の場合もあります。市区町村役場が返送するときに手元にある定額小為替で金額を合わせて送ってきます。

相続で必要な戸籍は、除籍謄本、改製原戸籍謄本です。両方とも戸籍の発行手数料は1通750円です。先ほどのとおり市区町村によって金額が異なる場合があります。

(4)切手を貼った返信用封筒

返信用封筒には切手を貼って、返送先の住所と氏名を記入しておきます。返送先の住所と氏名は戸籍を取り寄せる相続人のものでなくてはいけません(職務上請求を除く)。相続人の代理人が請求する場合は、代理人の住所と氏名を書きます。代理人の場合には委任状も必要です。

封筒に貼る切手の金額は、ひとまず84円でいいと思います。おすすめは、通数が増えても大丈夫なように、10円切手を封筒に入れておくことです。もし84円で足りないようなら、市区町村役場の戸籍担当の方が封筒に入れた10円切手を貼って返送してくれます。

もし切手の金額が足りない場合には、「不足分受取人払」という方法で返送してくれますのでご安心ください。

(5)取り寄せる相続人の本人確認書類

本人確認書類として、マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証などの中でどれか1つのコピーを同封します。

(6)(代理人の場合)委任状

相続人の代理人(相続人の子など)が戸籍を取り寄せる場合、委任状を同封します。委任状は次のようなものでOKです。大阪市の委任状の記載例を載せておきます。

大阪市 戸籍等 委任状 記載例

 

注意点は2つ。

1つ目。委任状の「委任者」の欄は、委任者本人が直筆で署名します。他の人が書いたり、パソコンで作成したりする場合には、委任者の認印を押します。

2つ目。亡くなった方の戸籍を取得する場合には、委任事項を次のように書きます。

「〇〇〇〇(亡くなった方の氏名)の戸籍の取得にかかる一切の権限」

「〇〇〇〇(亡くなった方の氏名)の戸籍の交付請求および受領に関する一切の権限」

 

長くなってしまいましたので、続きは次回以降に書きます。

 

 

| まとめ

 

1 遺産分割はまず協議から!

2 相続人の確定は戸籍を収集!

3 戸籍の郵送取得にはコツがある!



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