【行政書士試験】2021年度 試験問題の振り返り(第20問)

毎年、行政書士試験の問題を検討しているのですが、今年は何かとバタバタしておりまだ試験問題すら見ておりませんでした。

合格発表が近くなっているこの時期です。受験生の皆様はワクワクドキドキの時期も過ぎて落ち着いているかと思います。では、令和3年度行政書士試験を見てみたいと思います。今回も引き続き択一問題を見ていきます。

 

 

| 択一式 第20問(行政法)

 

選択式に引き続いて、択一式の問題も掲載しません。行政書士試験の問題は、一般財団法人行政書士試験研究センターのサイトにありますので、気になる方は各自ダウンロードしてください。PDFファイルで約570KB程度のサイズです。

第20問は国賠法の穴埋め問題です。失火責任法が題材になっています。くみあわせもんだいです。

問題に入る前にちょっと失火責任法の予備知識を確認しておきます。木造住宅の多い日本では一度火が上がると延焼しやすい環境です。原則となる民法では、過失があれば不法行為が成立するので損害賠償責任を負うことになります。それではあまりにも酷だということで、失火をした場合は隣家に火が燃え移ったとしても重過失がなければ損害賠償の責任を負わないとしました。

この失火責任法の理が公務員にも適用されるのかが問われた事件です。この判例は頻出判例ではないでしょうか。学習をした記憶のある受験生は多いと思います。

【空欄ア】

失火責任法は、民法の不法行為の制度を修正している特別法です。ですから、ここは“の特則”が入ります。民法が適用されないことを規定したのではありません。

【空欄イ】

民法が適用されないのではなくて特則であるということは、民法を修正したというだけですから、国家賠償法4条の“民法”に失火責任法の規定も含まれることになります。

【空欄ウ】

公務員にも失火責任法の規定が適用されるのですから、国や公共団体の損害賠償責任に関しても失火責任法が適用されます。

【空欄エ】

国や公共団体の損害賠償責任では、国家賠償法によって失火責任法が適用されます。

【空欄オ】

失火責任法では重大な過失があるときだけ不法行為の損害賠償責任を負います。ですから、失火をした公務員に重大な過失があるときだけ、公務員は不法行為責任を負い、同時に国家賠償法によって国や公共団体が損害賠償責任を負います。

 

 

| まとめ

 

1 公務員にも失火責任法の適用あり!

2 公務員に重過失がなければ国などの損賠責任なし!

3 失火責任法の趣旨を知っておくと解きやすい!?



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