【行政書士試験】2021年度 試験問題の振り返り(第10問)

毎年、行政書士試験の問題を検討しているのですが、今年は何かとバタバタしておりまだ試験問題すら見ておりませんでした。

合格発表が近くなっているこの時期です。受験生の皆様はワクワクドキドキの時期も過ぎて落ち着いているかと思います。では、令和3年度行政書士試験を見てみたいと思います。今回も引き続き択一問題を見ていきます。

 

 

| 択一式 第10問(行政法)

 

選択式に引き続いて、択一式の問題も掲載しません。行政書士試験の問題は、一般財団法人行政書士試験研究センターのサイトにありますので、気になる方は各自ダウンロードしてください。PDFファイルで約570KB程度のサイズです。

第10問は行政立法の問題です。またもや判例問題ですね。判例問題が連続すると読むのがしんどくて問題を解く気力が失せてしまいそうです。頑張りましょう!

【肢1】

誤りです。確かに直接に国民の権利義務に変更を生じさせることに関しては、本来法律で定める事項です。もし法律によらない変更を許してしまうと国会中心立法に反してしまいます。しかし、法律に一定の条件を加えて他の法に委任することは許されます。裁判所は、国家公務員の退職一時金については、退職一時金に付加して返還すべき利子の利率の定めを白地で包括的に政令に委任するものということはできないとしたうえで、当該委任は憲法41条に反しないと判示しました。

【肢2】

妥当です。旧監獄法では、命令で面会の立会、場所、時間、回数等、面会の態様についてのみ必要な制限をすることができることを定めています。それ以外の制限は認められていません。そうだとすれば、幼年者との接見を制限することは法律によって委任された内容ではありません。たとえ、事物を分別する能力のない幼年者の心情を害することがないようにという配慮の下に設けられた規定であっても同様です。よって、旧監獄法の施行規則の当該規定は無効とされました。この肢の正誤の判断は難しいと思います。

【肢3】

誤りです。法律の委任の範囲を逸脱していないというためには、法律の根拠規定から授権の趣旨が明確に読み取れることを要するとされています。しかし、だからといって立法過程における議論を考慮したり、根拠規定以外の諸規定を参照したりすることを禁じているわけではありません。裁判所も“そもそも国会が新薬事法を可決するに際して第一類医薬品及び第二類医薬品に係る郵便等販売を禁止すべきであるとの意思を有していたとはいい難い。”“そうすると、新薬事法の授権の趣旨が、第一類医薬品及び第二類医薬品に係る郵便等販売を一律に禁止する旨の省令の制定までをも委任するものとして、上記規制の範囲や程度等に応じて明確であると解するのは困難であるというべきである”と判示しています。この肢は正しい判断をしたいところです。

【肢4】

誤りです。この肢は判断しやすかったのではないでしょうか。児童扶養手当はいわゆる一人親に対して支給される手当です。出産後に離婚をした場合だけでなく、出産時に婚姻していない場合も含まれ、婚姻外懐胎児童(非嫡出子)も支給の対象になっています。ところが、施行令では婚姻外懐胎児童については父から認知された児童を除くという条件が課せられていました。父から認知された児童は父からの養育費が支払われるという前提に立った規定だと思いますが、実際には認知していたとしても養育費が支払われるとは限りません。よって、かかる規定は政令制定者の裁量の範囲を逸脱しているとされています。

【肢5】

誤りです。いわゆるサーベル登録拒否事件ですね。過去にも出題されていたのではないでしょうか。日本では、銃刀法によって原則として銃砲刀剣類の所持が禁止されています。ただし、一定の範囲では所持が許可されています。それは次の理由によるものです。

(1)刀剣類の美術品としての文化財的価値

(2)美術品の所持を認めることは文化財保護の観点から見て有益

(3)美術品の所持を認めても危害の予防上重大な支障は生じない

(4)日本刀は日本では古来より美術品として観賞の対象である

このような法の趣旨からすると、美術品として文化財的価値を有する日本刀のみの所持を許可するとしても銃刀法の委任の趣旨を逸脱したとはいえないとされました。

 

 

| まとめ

 

1 法律による委任は重要な学習事項!

2 常識的な判断で正誤がわかる肢も!

3 過去問で問われた判例は必ず正解を!



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