行政書士には外国人の入国・滞在を手助けする業務があります。外国人や代理人の代わりに入管当局へ出頭したり書類を作成して提出したりします。この業務は入管当局に登録された弁護士か行政書士しか行うことができません。
ただ、行政書士の場合、入管当局に登録されるためには業界内の研修会に参加をして試験に合格しなければいけません。
そこで、入管業務を行うための申請取次研修会について書きたいと思います。内部事情もちらほら出てくるかも…。今回は第24回です。永住許可申請の続きです。
| 永住許可申請
前回の記事では一般の方の永住許可申請の要件を書きましたが、今回も永住許可申請です。
今回は留学生として入国して、学業終了後に日本で就職をしている方などの許可要件です。
原則となる許可要件3つはこれです。
1 素行善良要件
2 独立生計要件
3 国益要件
このうち国益要件はどんな人が永住許可申請をしたとしても同じように満たさなければいけません。
<留学生として入国後に日本で就労など>
(1)在留要件
引き続き10年以上日本に在留していることという要件は一般の方と同じです。少し違うのが、就労資格または居住資格に在留資格を変更した後、引き続き5年以上日本に在留していることという要件です。国益要件に出てくる要件と実質的には同じです。
(2)素行善良要件
(3)独立生計要件
(4)国益要件(7つ)
以上です。一般の方とほとんど同じですね。
次に、特例として認められる永住許可申請について書きたいと思います。
<日本人、永住者、特別永住者の養子>
(1)在留要件
引き続き10年以上日本に在留していること。
(2)国益要件(7つ)
この2つだけです。素行要件や独立生計要件はありません。かなり緩い許可基準です。
<日本人の配偶者、永住者の配偶者、特別永住者の配偶者>
(1)在留要件
実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上日本に在留していること。3年以上の婚姻生活をどのように判断するのかは法務大臣の自由裁量です。日本で3年以上夫婦として同居していて生計も同一であれば、ほぼ確実に要件を満たすと思います。
(2)国益要件(7つ)
この2つだけです。婚姻生活3年以上という新たな要件がありますが、引き続き10年以上の在留が求められる一般の方や留学生と比べるとかなり緩い許可基準ではないでしょうか。
<日本人、永住者、特別永住者の実子または特別養子>
(1)在留要件
引き続き1年以上日本に在留していること。
(2)国益要件(7つ)
この2つだけです。今まで一番緩い許可基準ですね。当然と言えば当然かもしれません。
| まとめ
1 留学生が就職した場合も一般の方とほぼ同じ要件!
2 日本人などの養子は素行要件や独立生計要件はなし!
3 日本人などの実子などは最も緩い許可基準!