よく似た名前の司法書士と行政書士の違い

当事務所にお越しになる方の中で最も多い間違いが、司法書士と行政書士の業務内容の違いです。一般の方にとって分かりにくいのは仕方ありませんが、士業相手に専門で商売をしている業者の中にも、営業電話で司法書士と行政書士を混同されているオペレーターの方がいらっしゃいます。

そこまで分かりにくいのであれば…ということで、今回は司法書士と行政書士の違いについて簡単にご紹介したいと思います。

 

 

| 司法書士と行政書士の同じところ

 

司法書士と行政書士で同じところはあまり多くありません。

1 法律を用いた業務を行う

2 独占業務のある国家資格である

このくらいでしょうか。同じところは簡単に済ませて、次に異なるところをご紹介します。

 

 

| 司法書士と行政書士の異なるところ

 

司法書士と行政書士では異なるところが多くあります。

1 取扱業務の違い

提出先によって行政書士か司法書士かで分けられています。

大雑把に言うと、行政書士は市区町村や都道府県など官公署に提出する許認可などの書類の作成・代理、権利義務や事実証明に関する書類の作成、これらにともなう相談業務が独占業務です。

他方で、司法書士は法務局での登記や供託に関する手続きの代理、裁判所への訴状や告訴状の作成、簡易裁判所での代理(認定司法書士)などです。

2 試験の内容の違い

行政書士試験では、憲法、行政法、民法、商法、一般常識が出題されます。形式は択一式と記述式です。択一式には5肢択一式と多肢択一式があります。記述式は、憲法、行政法、民法の3科目で、40字程度の記述です。

司法書士試験では、憲法、民法、刑法、商法、不動産登記法、商業登記法、供託法、司法書士法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法が出題されます。不動産登記法や商業登記法は記述式試験もあります。

 

 

| 依頼するならどっち?

 

困ったことがあるから相談したいというときに、司法書士と行政書士のどちらを訪ねればいいのでしょうか?

結論としては相談内容によって相談先が違います。ただ、相談先を間違えていたとしても、司法書士と行政書士で横のつながりのある事務所がありますので、紹介をしてもらえる場合があります。司法書士でも行政書士でもお気楽にご相談ください。

そうは言っても、なるべくなら相談先を間違えたくないと思われる方が多いともいます。

たとえば、困ったことが相続の場合はどうでしょうか?この場合、司法書士でも行政書士でもどちらでも対応ができます。ただし、不動産登記は司法書士しかできませんし、遺産分割協議書の作成は行政書士の業務です。

では、会社設立の手続きはどうでしょうか?この場合は、司法書士でも行政書士でも定款を作成したりそれを公証役場で認証手続きをしたりすることができます。ただし、会社の登記手続きは司法書士にしかできませんし、発起人の意思決定書の作成は行政書士の業務です。

 

 

| まとめ

 

1 どちらも独占業務のある国家資格!

2 主に司法書士は登記、行政書士は許認可!

3 困ったことがあるなら司法書士でも行政書士でもお気軽に!



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