親族が亡くなったときには相続が発生します。近年は家族葬が増えていますので、お葬式の後に亡くなったという連絡をもらうことも増えてきていると思います。しかし、親御さんやご兄弟が亡くなったときには通夜や葬儀の段取りを仕切らなければいけないことがあります。
今回は、親族が亡くなったときの相続手続について書きたいと思います。
| 必ず行う手続
相続手続と言っても必ずしなければいけない手続もあれば、やってもやらなくてもよい手続、あてはまる人だけがすればよい手続きなどがあります。
これらを順に書いていきたいと思います。まずは、必ず行う手続です。
1 葬儀業者の手配
亡くなられた方の通夜・葬儀を執り行うため、葬儀業者へ連絡をして対応してもらいます。死亡届や(埋)火葬許可申請などは葬儀業者が行ってくれることが多いです。
2 親族への連絡
亡くなったことを親族へ連絡します。通夜・葬儀に出席をしてもらう場合には、すぐに電話などで連絡をしてください。出席をしてもらわない親族の方へは、落ち着いてからでも大丈夫です。
3 死亡届
原則として亡くなった方の住所地の市区町村役場に提出します。亡くなったことを証明する“死亡診断書”を医師に書いてもらって添付します。亡くなったことを知った時から7日以内に提出しなければいけません。
4 (埋)火葬許可申請
通常は死亡届の提出と同時に行います。原則として亡くなった方の住所地の市区町村に提出します。亡くなったことを知った時から7日以内に提出しなければいけません。
5 遺品整理
亡くなった方の所持品を整理します。遺品が多い方はご自身では行わずに業者に一括して依頼することもできます。ただ、通帳や現金、実印など後の手続が必要なものがありますので、一度は遺品を確認されることをおすすめします。
6 相続税・所得税の申告
所得税の申告として、亡くなってから4カ月以内に準確定申告と納税を行います。年金を受け取られていた場合には亡くなるまでに受け取った年金の金額を申告したり、給与や報酬を受け取られていた場合には亡くなられるまでに受け取った給与や報酬を申告したりします。亡くなる直前に不動産を売却していたような場合にも申告が必要です。
また、相続税が発生する場合には亡くなられてから10カ月以内に相続税の申告と納税を行います。相続税の申告が必要な場合は、次の遺産分割協議書の作成を申告までに終わらせる必要があります。税金についてわからない場合には税理士にご相談ください。
7 遺産分割協議書の作成
亡くなられて方の遺産を誰にどのように分けるかを記した文書を作成します。遺言がある場合であっても同様です。今後の手続に必要な場合もありますので作成することをおすすめします。ただし、相続人が1人の場合にはなくても大丈夫です。遺産分割協議書を作成するためには亡くなった方や法定相続人などの戸籍を収集する必要があります。分からない場合には行政書士にご相談ください。
| 多くの方に必要な手続
必ず行うわけではありませんが、多くの方に関係する手続を書きたいと思います。
1 世帯主変更届
2 国民健康保険の喪失や変更申請
3 介護保険資格喪失申請
4 後期高齢者資格喪失申請
5 印鑑カードの廃棄
6 年金受給者死亡届
7 運転免許の死亡取消届
8 電気・ガス・水道・NHKの変更、契約解除
9 葬祭費の請求
10 埋葬(費)料の請求
11 火災補助金交付申請
12 死亡一時金の請求
13 遺族厚生年金の請求
14 遺族共済年金の請求
15 未支給年金の請求
16 高額療養費の請求
17 死亡・傷害保険金の請求
18 (賃貸住宅の場合)解約手続、敷金返還請求
19 (施設入居の場合)預け金等返還請求
20 銀行口座の解約
21 クレジットカードの解約
かなり多いですね。長くなりそうですので、次回に持ち越したいと思います。
| まとめ
1 親族が亡くなったらすぐに葬儀業者へ連絡!
2 葬儀業者がやってくれる手続もある!
3 遺産分割協議者や税金の納付を忘れずに!