2020年の春から続く新型コロナウイルスの猛威。日本の都市部を中心に緊急事態宣言が発令されたりまん延防止等重点措置が取られたりしています。コロナ禍では分譲マンションの管理を行っている管理組合の集まりも多かったのではないでしょうか。
このような状況下でマンションの苦情や相談が増えているようです。
| マンションの苦情や相談ってどんなもの?
分譲マンションの苦情や相談内容は近隣関係だけではありません。住民の方の苦情や相談は管理組合や管理会社が受けておられると思います。対応が難しい苦情や相談は、それを受けた管理組合や管理会社が所属している管理業協会などに相談するのではないでしょうか。
マンション管理業協会では管理会社からの相談が約65%、管理組合からの相談が約15%なのだそうです。ちなみに居住者からの相談も15%くらいのようです。
相談内容は管理組合関係が最も多く、管理会社関係や法令関係は比較的少なくなっています。具体的には、次のような相談が多いようです。
1 管理規約・細則
2 総会・理事会の運営
3 マンション管理適正化法
4 管理委託契約
5 管理会社の対応
管理規約は標準約款を使用している管理組合が多いかと思います。約款を利用していると内容の理解が十分になされているとは思えませんので、約款の内容の確認や約款に基づいた対応の仕方などの相談なのではないしょうか。
総会や理事会の運営については多くの管理組合でノウハウがあるかと思います。地域の自治会の運営と同じような感じですね。総会や理事会には意思の疎通を図るために管理会社の担当者も参加するのが一般的です。
| コロナ禍で増えた相談内容は?
コロナ下では相談件数が大幅に増えているようです。たとえばマンション管理業協会では、2020年度の相談件数は前年度比で35%の増加だそうです。2018年度は約5,800件、2019年度は約5,700件とほぼ横ばいですが、2020年度は約7,700件になっています。
相談内容を見ますと、ほぼすべての相談内容の件数が増加しています。ただ、それほど増加していない相談内容と大幅に増えた相談内容があります。
大幅に増えた相談内容には次のようなものがあります。
1 総会・理事会の運営
2 管理委託契約
総会や理事会の運営については、コロナ禍で実際に開催される頻度が上がったり、今まで参加されなかった方の参加が増えたり、コロナ禍での衛生面の管理体制の構築であったりと色々な要因が考えられます。
管理委託契約では管理組合と管理会社の役割分担の相談なのでしょうか。今までに経験しなかったコロナ対策で、どこまでを管理会社が行うのかなどは問題になりそうです。管理会社によって対応方法が全く異なることも考えられます。
逆にほとんど増えなかった相談もあります。
1 管理組合の財務・会計
2 管理費等の滞納
3 マンション管理適正化法
管理組合の会計と管理費等の滞納は密接に結びついていますのでどちらも大きく変わらないというのは納得です。マンション管理適正化法は改正法が2021年3月に施行されていますが、法律自体の施行は2001年でもう20年経っています。コロナ禍で増加する要因が少なかったのではないでしょうか。
| まとめ
1 管理規約や総会の運営などの相談が多い!
2 コロナ下で総会・理事会の運営相談が大幅増!
3 管理費等の滞納や会計の相談は例年並み!