賃貸住宅を経営している大家さんにはたくさんの悩みごとがあります。入居者のこと、税金のこと、ご近所トラブルなどなど、枚挙にいとまがありません。
今回は、大家さんのお悩みについて書きたいと思います。
| 大家さんのお悩みは?
大家さんの頭を悩ませることは大きく2つあります。1つは入居者のこと、もう1つは税金や維持費などお金のことです。
入居者の悩みと言えば空室率が高くて家賃収入が少ないことかと思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
ほとんどは現在入居している方についての悩みです。よく聞く悩みを書き出してみます。
(1)家賃滞納
(2)室内の汚損
(3)退去時の返金トラブル
(4)退去勧告の無視
(5)ペット不可なのにペットを飼育
(6)ゴミ出しのマナー
(7)契約時の申告内容の虚偽
(8)入居者同士の諍い
(9)入居者の騒音や異臭
(10)夜逃げなどの突然の退去
とりあえず10個挙げてみました。どれもよくあるトラブルです。
| トラブルになる例
(1)~(10)になる例を挙げます。実際に私が体験した事案だけでなく、周囲から聞いた話もありますのでご容赦ください。
(1)家賃滞納に関しては連帯保証人や保証会社を付けたりして対応することができます。家賃滞納が長期間になりますと契約を解除して退去を促すことになりますが、そうなると(4)退去勧告の無視につながります。
家賃を支払わないし明渡しをしないでは大家さんも踏んだり蹴ったりです。明渡しの訴訟をすることになりますが、手間も時間もかかります。頭を抱える問題の1つです。
(2)室内の汚損は(5)ペット不可なのにペットを飼育にも関係します。たとえば猫を多頭飼いしていて襖も畳もクロスもボロボロという話も聞いたことがあります。中にはお風呂の浴槽を壊していたりトイレを壊していたりすることもあるそうです。窓ガラスが割れていてもそのまま放置している入居者さんもいます。
(3)退去時の返金トラブルは敷金の返還に関するトラブルです。(2)室内の汚損や(5)ペット不可なのにペットを飼育にも関係しています。通常使用での経年劣化とは明らかに異なる汚損については、入居者さんの負担になって敷金から差し引かれます。それに納得できないとトラブルに発展します。入居前の重要事項説明で、大家負担部分と入居者負担部分をきちんと説明していない場合には起こりえる問題です。最近はガイドラインに沿った資料を重要事項説明書や契約書に添付することが多くなっています。
(6)ゴミ出しのマナーは、マンションなどにゴミ捨て場がない場合に問題になりやすいです。ゴミ捨て場があってそこに捨てていれば、ゴミの日ではなくてもそれほど問題になりませんが、ゴミを玄関前に出す地域や近隣の住民のゴミをまとめて出す地域では問題になります。通行の邪魔になったりカラスなどがごみを散らかしたりして周辺住民とのトラブルの元になります。
(7)契約時の申告内容の虚偽は、入居者の人数で問題になることが多いようです。たとえば結婚や出産で同居人が増えたというような場合は問題ありません。問題になるのは、友人や知人が居ついてしまった場合です。大家さんが把握していない人が賃貸物件に出入りしていると他の入居者や周辺住民とのトラブルになることがあります。逆に、勤務先が違ったとか連絡先が違ったという話は聞いたことがありません。保証会社の審査を通過していればこのようなことはないと思います。
(8)入居者同士の諍いは(9)入居者の騒音や異臭とも関係します。夜間のテレビの音や音楽の音などが問題になることが多いように思います。小さな子どもの声や足音が諍いの原因ということもあります。異臭はたばこの臭いや煙が多いでしょうか。ベランダでタバコを吸っていたら隣から苦情が来たということもあるかと思います。
(10)夜逃げなどの突然の退去はあまり聞かないかもしれませんが実際にあるようです。突然家賃が振り込まれなくなったからおかしいと思ったら部屋の中はもぬけの殻だったというパターンです。連帯保証人も付けていないし、携帯電話に連絡をしても解約しているということもあるそうです。これほどひどくなくても、契約書には30日以上前の退去連絡が必要だと書かれているのに、引越しをしてから退去の連絡をしてきて退去した翌月の家賃を支払わないというトラブルもあります。
| まとめ
1 大家さんの悩みは尽きない!
2 入居者のトラブルが多い!
3 ペット飼育のトラブルはいろいろ!