宅建士試験の振り返り(2020年度12月)問9・10

2020年の宅地建物取引士試験は、新型コロナウイルス感染症への対応のため例年と異なる試験形態になってしまいました。都市圏では受験会場が確保できなかったため、10月の試験を受験できない受験生がいます。2020年は10月と12月の2回、試験が行われることになりました。

今回から2020年12月試験の問題を振り返ってみたいと思います。まずは民法から始めてまいります。

 

 

| 2020年12月試験 民法

 

まずは民法から振り返っていきます。受験をされなかった方はインターネット上で問題を探してみてください。

1 問9 正解肢1

地役権に関する問題です。民法の規定と判例の内容を問うています。

肢1 地役権の時効取得

地役権を時効取得するには、継続かつ外形が必要です。継続的に地役権が行使されていて、さらに外形上認識しうる状態にあることが要件です。“又は”ではありません。

肢2 地役権者の権利

地役権は自分の土地(要役地)の利便性のために他人の土地(承役地)を利用する権利です。地役権は地役権設定契約によって設定されます。

肢3 承役地の特定承継人の義務

承役地の所有者が工作物の設置や修繕義務を負担する場合には、承役地の買主(特定承継人)も義務を承継します。ただし、地役権者が特定承継人に義務を対抗するためには、義務がある旨の登記が必要です。

肢4 地役権の対抗要件

地役権には付従性がありますので、原則として所有権の移転に伴って地役権も移転します。地役権を第三者に対抗するには所有権移転登記が必要です。所有権の取得を承役地の所有者に対抗するためには原則として所有権移転登記が必要ですので、所有権移転登記を有しているときは地役権の取得を承役地の所有者に対抗できます。

2 問10 正解肢4

共有に関する問題です。基本的な問題です。

肢1 各共有者の持分の推定

共有者の持分が不明なときは、持分は等しく有する者と推定されます。

肢2 共有物の変更

共有物の変更行為は共有者全員の同意が必要です。

肢3 共有物の保存行為

共有物の保存行為は共有者が単独ですることができます。ちなみに、管理行為は持分価格の過半数の同意が必要です。肢2の変更行為も含めて、3つの同意は丸暗記でOKです。

肢4 共有物の持分の帰属

共有者が死亡して相続人がいない場合には、持分は他の共有者に帰属します。一般の遺産の場合には、相続人などがいない場合には国庫に帰属します。

 

 

| まとめ

 

1 地役権の時効取得は継続かつ外形!

2 所有権移転登記が地役権の対抗要件!

3 共有物の保存・管理・変更行為の同意は丸暗記!



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