2021年1月に緊急事態宣言が発令されました。飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛が要請されています。そこで、売上が50%以上減少した中小法人や個人事業主などに一時支援金が給付されることになりました。今回は、一時支援金の概要についてお伝えいたします。
| 一時支援金の給付対象
一時支援金はどの事業者でも受給できるわけではありません。大きく分けて2つの条件があります。どちらの条件も満たさなければいけません。
1 飲食店の時短営業またはが委縮自粛等の影響
冒頭でも書きましたが、以下の2つのうちのどちらか一方を満たさなければいけません。
(1)飲食店が時短営業をしていること
(2)外出自粛等の影響を受けていること
どちらの場合でも、影響を示す証拠書類を保存しておかなければいけません。申請時に提出する必要はありませんが、事務局から提出を求められた場合には資料を提出する必要があります。
どのような証拠が必要かは未定ですが、時短営業の張り紙自体や張り紙を掲示している状況の写真などだと思われます。
“外出自粛等の影響”はよく分かりませんが、パンフレットによると“緊急事態宣言の再発例に伴い、緊急事態宣言の発令地域(以下「宣言地域」という。)の飲食店と直接・間接の取引があること、又は、宣言地域における不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受けたことを指します。”とあります。
店舗として営業していて来客数が大幅に減ったために売上が減少したり、来客数が見込めないために休業や時短営業をして売上が減少したりした場合だと思われます。直接的な影響がないような、飲食店と関係のない製造業などでは受給が難しいのかもしれません。
2 売上高の50%以上の減少
比較に使う売上高は2021年の1月か2月か3月のいずれか1か月と2019年または2020年の同月です。2020年の1~3月はすでに新型コロナウイルスの影響が出始めている時期です。2020年の4月には緊急事態宣言が発令されました。
たとえば、2019年1月と2021年1月の比較でもOKですし、2020年2月と2020年2月の比較でもOKです。
以上2つの給付要件を満たす事業者であれば、業種や所在地を問わず給付対象になりえます。受給単位は事業者単位で店舗単位ではありません。
緊急事態宣言の発令地域であれば、緊急事態宣言が解除された地域でも対象になります。ただし、都道府県から時短営業の協力金を受給した場合には、一時支援金と重複受給ができませんのでご注意ください。
| 一時支援金の給付額
一時支援金の上限は法人と個人事業者で異なります。
1 法人 : 上限60万円
2 個人 : 上限30万円
給付額は次の式で算出します。
前年・前々年の対象期間の合計売上 - 2021年の対象月の売上 × 3か月
前年・前々年の対象期間は、2019年1~3月か2020年1~3月です。2021年の対象月は1~3月のどの1か月を利用してもかまいません。
実際に計算をしてみましょう。個人事業主で2019年2月の売上が60万円、1~3月の売上が200万円、2021年2月の売上が15万円だったとします。
まず、受給できるかどうかを考えます。売上が60万円から15万円に減少していますから、10万円÷60万円×100%=25%で75%減になっています。50%減の条件を満たします。
次に給付額を計算します。200万円-15万円×3か月=200万円-45万円=155万円。個人事業主の給付金額の上限が30万円ですから、給付額は30万円になります。
| まとめ
1 緊急事態宣言の発令で新たな給付金!
2 給付条件は2つだけ!
3 給付額は法人と個人で異なる!