相続したボロ家がお荷物になる理由

以前の記事“空家の取得方法は相続ばかり?”に書きましたが、空き家を所有することになる原因は相続が一番多くなっています。古い家になるほど相続での取得割合が増え、昭和25年以前に建てられた家は78%が相続での取得になっていました。

このような家を何とか活用しようと思っても、売却するにも難しく賃貸するにもリフォーム代がかさみます。

相続した古い家がお荷物になってしまう理由は何にあるのでしょうか。

 

 

| 空き家率は上昇中

 

空き家の問題は、実はかなり以前から予想できるものでした。1968年の空き家率はわずか1%ほどでしたが、5年後の1973年には5%を超えています。そして、2018年には13%にまで上昇しました。

空き家の総数も1998年から2018年の20年間で約1.5倍に増えています。その原因は、土地神話と家の老朽化にあります。

高度経済成長期に土地を購入した年代は、土地バブルによって都心から離れたところにマイホームを買い、土地は必ず値上がりすると信じられてきました。ところが、家が老朽化すると、都心に移り住んだ子どもは古くて不便な家に興味がありません。土地バブルが崩壊した今では資産価値が半減している家も多いのではないでしょうか。

このような理由から空き家は今後さらに増えていく可能性が高いと思います。

 

 

| 特定空き家に指定されると…

 

都心から離れた家に住んでいた親世代が高齢者になり、介護施設に入所したり入院したりすることになると空き家が増加するのは当然です。

子世代は誰も住まなくなった家にお金をかけるのはもったいないので、リフォームして賃貸するということもしません。家さえ建っていれば固定資産税が安く済みますから、なおさら放置してしまいます。

この対策として2015年に施行された“空家等対策の推進に関する特別措置法”があります。適切に管理されていない空き家で、防災・衛生・景観などの観点から地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしている場合には、特定空き家等に指定され、行政の権限で立入調査、助言・指導・勧告・命令・代執行を行えるようになりました。

特定空き家に指定するには4つの基準のいずれかに該当する必要があります。

1 倒壊など著しく保安上危険になるおそれのある状態

2 著しく衛生上有害となるおそれのある状態

3 適切な管理が行われず、著しく景観を損なっている状態

4 その他、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

特に、積雪のある地域では雪による倒壊のおそれがあると判断されると特定空き家に指定されてしまいます。

特定空き家に指定されて解体工事を代執行されると、解体工事の費用を負担しなければいけないだけでなく、安かった固定資産税が通常の価格に戻ってしまいます。大きな経済的な負担を負うことになります。

 

 

| ボロ家は売れない?

 

古い家はなかなか売れません。と言いますのも、まずは仲介してくれる不動産業者がいないからです。不動産の売買での仲介手数料は売買代金によって決まっています。たとえば、1000万円で売買できた場合には、1000万円×3%+6万円=36万円(税別)が不動産屋の仲介手数料になります。もし400万円での売買でしたら、400万円×4%+2万円=18万円(税別)です。100万円での売買なら、100万円×5%=5万円(税別)です。

このように計算しますから、100万円や200万円くらいしか値打ちのない不動産の売買は、高額での売買と同じ手間がかかるのに仲介手数料が安くなるため、売買を仲介しようとする不動産業者は少なくなります。そのような物件は不動産業者へ買取を依頼することもできます。

売れない空き家を所有して固定資産税を負担するくらいなら、リフォームをして賃貸や売却を検討してみてはしてみてはいかがでしょうか。

 

 

| まとめ

 

1 空き家率は40年以上前から増加傾向!

2 特定空き家にしてされると行政に解体される!?

3 販売価格の安い物件は不動産屋が仲介してくれない!?



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