宅建士試験の振り返り(2020年度10月)問35・36

2020年の宅地建物取引士試験は、新型コロナウイルス感染症への対応のため例年と異なる試験形態になってしまいました。都市圏では受験会場が確保できなかったため、10月の試験を受験できない受験生がいます。2020年は10月と12月の2回、試験が行われることになりました。

前回から引き続き2020年10月試験の問題を振り返ってみたいと思います。今回は、宅建業法の営業保証金と保証協会です。

 

 

| 2020年10月試験 宅建業法

 

1 問35 正解肢3

営業保証金一般に関する問題です。この分野は苦手な受験生が多いのではないでしょうか。私も苦手でした。

肢1 宅建業者の請け負う建設工事での還付請求

宅建業の営業保証金から還付を受けられるのは、宅建業に関する取引だけです。宅建業の取引でも債権者が宅建業者の場合には還付を請求できません。

肢2 支店設置の場合の供託所

支店であっても事務所を設置した場合には事務所の新設の手続きになります。本店の場合の営業保証金は1000万円、支店の場合は500万円です。供託をする供託所は本店の最寄りの供託所です。供託をしたら都道府県知事や大臣へ届出をします。

肢3 営業保証金の不足額の供託

還付がありますと都道府県知事や大臣から通知書が届きます。通知書を受け取った後、2週間以内に供託所へ不足額を供託しなければいけません。不足額を供託したら都道府県知事や大臣へ届出をします。

肢4 営業保証金の金額

肢2で書きましたとおり、本店の供託保証金は1000万円、支店は500万円です。本店と支店2ヵ所ですから、1000万円+500万円×2=2000万円を供託します。

2 問36 正解肢4

宅地建物取引業保証協会一般に関する問題です。こちらも苦手な受験生が多そうです。手続がややこしいですから、テキストの図で流れをイメージしてください。

肢1 保証協会加入時の還付金額

弁済の限度額は1000万円です。分担金の額(本店60万円、支店30万円/1ヶ所)ではありません。保証協会の社員であっても営業保証金を供託した場合と同額の還付を受けられます。

肢2 保証協会加入時の還付手続き

還付ができる取引相手は、保証協会に対して認証の申請をして認証を貰います。還付の請求先は供託所です。

肢3 保証協会加入時の還付後の手続き

還付がされると保証協会は供託所に還付相当額を供託します。その後、保証協会は還付充当額を通知し、宅建業者は保証協会に還付充当額を納付します。

肢4 不足金額の供託

肢3に書きましたとおり、還付があると保証協会が供託所へ還付相当額を供託します。

 

 

| まとめ

 

1 営業保証金は本店と支店で金額が違う!

2 保証協会加入時の還付金額は営業保証金のときと同じ!

3 保証協会加入時でも還付充当額の納付が必要!



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