相続手続 専門的な手続編 その1

相続一覧の記事で39個の手続きを書きました。労災やゴルフ会員権などあてはまる人が少ない手続きは省略しています。以前の記事では市区町村役場編、請求の手続編、解約の手続編を書きました。今回は専門的な手続編を書きたいと思います。長くなりそうですので2回に分けたいと思います。

 

 

| 所得税の申告

 

亡くなった方の所得税の申告をします。亡くなった年の1月1日~亡くなった日までの確定申告です。“準確定申告”と言われています。

申告期限は確定申告とは異なり、亡くなった(ことを知った)日から4カ月以内です。税務署へ申告します。

年金を受給していたり給与をもらっていたり家賃収入があったりした場合には、金額が確定的にわかりますのでその金額を記入します。

問題になりがちなのは不動産の売却があった場合です。不動産を売却した場合には譲渡所得税がかかりますが、それは売却した金額と購入した金額の差額に対して課せられます。

売却した金額は契約書などが見つかるでしょうから大きな問題にはなりません。分からないのは購入した金額です。亡くなった方が相続をしていた場合も分かりませんし、別居していてあまり連絡を取っていなかった場合にも分かりません。

購入した金額は契約書がなかったとしても、当時に本人が書いたメモやパンフレット・チラシなどでも大丈夫です。税務署に相談してみてください。

純確定申告は税務署で行いますので、次の相続税の申告と同時に相談、申告するのが楽です。もちろん、税理士さんにお任せすると間違いがありません。

 

 

| 相続税の申告

 

相続税を支払う必要がある場合には相続税の申告をします。申告期限は亡くなった(ことを知った日から)10カ月以内です。

相続税の申告が必要かどうかは財産の額と相続人の人数、配偶者がいるかどうかで変わってきます。税理士さんか税務署にご確認ください。

 

 

| 相続放棄・限定承認

 

亡くなった方の負債が多い場合には相続放棄をしたり限定承認をしたりすることができます。相続放棄は遺産分割協議(家族会議)のときに申告すればOKです。限定承認は手続きが煩雑になります。

限定承認をするには相続人全員で行わなければいけませんし、裁判所に申請しなければいけません。そのような場合には、弁護士さんや司法書士さんに相談してください。

限定承認の期限は亡くなった(ことを知った)日から3か月以内です。

 

 

| 自動車・農地・森林などの名義変更

 

亡くなった方が自動車や農地や森林を持っていた場合には名義変更をします。自動車の名義変更は陸運局へ行って手続きをするだけで難しくありません。

ただ、農地や森林を持っていた場合には手続きが煩雑になります。農地や森林の相続には農業委員会などへの申告が必要になります。また、相続人での分割にも制限がかかります。

もし農地や森林を所有していた場合には行政書士へ相談されることをおすすめします。

 

 

| 戸籍の収集

 

相続の手続きをするためには戸籍謄本を収集する必要があります。相続人であることをハッキリとさせないと、金融機関や年金事務所、市役所は手続をしてくれません。

戸籍の収集は、亡くなった方が生まれたときから亡くなるまでの全ての戸籍が必要です。除籍謄本だけでなく原戸籍を取得する必要がある場合もあります。よく分からない場合は、行政書士に依頼するか、市役所の窓口で“出生から死亡までの全ての戸籍が欲しい”と伝えてください。

戸籍の収集には3,000~5,000くらいの発行手数料がかかる場合があります。これだけの出費を金融機関や年金事務所での手続きごとに支払うのはもったいないです。

そこで、法定相続情報証明制度を利用することをおすすめします。戸籍を一通りそろえて数枚の書類を書くだけで何枚でも無料で発行してもらえます。

詳しくは“法定相続情報証明制度 使ってみました!”の記事をご参照ください。前回の記事“相続手続 解約の手続編”の銀行口座の解約の項にもリンクを貼ってあります。こちらもご参照ください。

 

 

| まとめ

 

1 所得税・相続税の申告は税務署に相談!

2 自動車・農地・森林などの名義変更は行政書士へ!

3 戸籍の収集は法定相続情報証明制度の利用が便利!



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