行政書士試験の憲法(国会5)

前回は国会議員の特権と国会の種類について書きました。今回は、国会の権能について書きたいと思います。国会の権能は7つ規定されています。多いですが全て大切ですので、行政書士試験の受験生は気合を入れて勉強をしてください。

 

 

| 国会の権能は7つ(前編)

 

国会には7つの権能があります。国会の権能は簡単に言うと国会のやるべき仕事のことです。国会の権能に加えて議院の権能もありますが、それは後ほど書きたいと思います。

1 法律案の議決権

国会のメインの仕事です。法律案は衆議院と参議院の両議院で可決したときに法律になります。

また、衆議院で議決された法律案が参議院で否決された場合には、衆議院で出席議員の2/3以上の多数で再可決したときにも法律になります。衆議院と参議院で意見が異なるときは、両院協議会を開くこともできます。

さらに、衆議院が法律案を可決してから60日経っても参議院が可決も否決もしないときには、衆議院は独自に再可決することが可能です。

 

憲法 59条

法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。

2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。

4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

 

2 内閣総理大臣の指名権

日本は議院内閣制を採っていますので、内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名されます。三権分立で、国会が内閣へ行う牽制内容の一つです。

衆議院と参議院でねじれ現象が生じていて、衆議院と参議院で別人を指名した場合には、必ず両院協議会が開かれます。両院協議会でも意見が一致しなかったり衆議院が内閣総理大臣を指名した後10日以内に参議院が指名をしなかったりした場合には、衆議院の議決が国会の議決になります。

 

憲法 67条

内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。

2 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて十日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

 

3 財政監督権

国の財政を国会の議決に基づいて処理できる権限です。財政については、国民の代表機関である国会による強いコントロールが必要です。これを財政民主主義と言います。

 

憲法 83条

国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

 

長くなりましたので、4つ目以降の国会の権能は次回に書きたいと思います。

 

 

| まとめ

 

1 国会には7つの権能がある!

2 法律案の議決権は国会の仕事のメイン!

3 内閣総理大臣の指名、財政監督権も国会の権能!



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