告訴と告発は何が違うの?

ドラマを見ていると時々“告発します”とか“告訴します”とか物騒なセリフが出てきます。告発と告訴はよく似た言葉ですが、何が違うのでしょうか。

告訴や告発は誰がすることができて、誰に対して行うものなのでしょうか。犯罪の場面でよく出てくる言葉ですが、刑事事件だけにあるのでしょうか。

よく分からないままテレビでよく聞くこの疑問について書きたいと思います。

 

 

| 告訴と告発ってなに?

 

告訴は、告訴ができる人が捜査機関に犯罪の事実を申告して訴追を求めることです。告訴ができる人は、犯罪の被害者や被害者の法定代理人です。法定代理人は、被害者が未成年の場合には親権者、成年の場合には成年後見人です。被害者がすでに亡くなっている場合には、配偶者、兄弟姉妹も告訴ができます。捜査機関は警察や検察です。

告発は、捜査機関に犯罪の事実を申告して訴追を求めることです。犯人以外であれば誰でも告発ができます。犯人が犯罪の事実を申告する場合は自首や出頭になります。ただし、犯罪の中には、告訴できる人しか申告ができない犯罪もあります。このような犯罪のことを“親告罪”と呼んでいます。

告訴や告発は、刑事訴追や処罰を求める意思表示が含まれています。他方で、“被害届”は被害のあった事実を申告するだけで、刑事訴追や処罰を求める意思表示は含まれません。被害届と告訴・告発との違いも知っておくといつか役に立つかもしれません。

 

 

| 親告罪ってなに?

 

親告罪は大きく分けると4種類あります。

1 被害者の名誉に関する犯罪

名誉棄損や侮辱、性犯罪などです。捜査機関が捜査を行って起訴をすると裁判所という公の場で審議がなされます。裁判になれば犯罪の事実が明らかになります。被害者のプライバシーが公になってしまうのです。

被害者のプライバシー保護のために親告罪になっています。

2 私権に関する犯罪

著作権などです。犯罪を訴えて裁いてもらうかどうかは被害者が決めるべきだとされています。警察や検察に対して書面や口頭で告訴をします。

3 親族間に関する犯罪

夫婦、直系血族、同居親族以外の間の窃盗、詐欺、恐喝、横領などです。親族の間で起こったこのような犯罪は、まずは親族間で解決することが望ましいとされています。そのため、親族間での窃盗などの犯罪は親告罪とされています。夫婦、直系血族、同居の親族の窃盗、詐欺、恐喝は刑が免除されますので告訴ができません。

4 軽微な犯罪

器物損壊罪、過失傷害罪などです。軽微な犯罪は被害者が捜査や裁判を望まないケースが多くあります。被害者も調書の作成や裁判での証言など負担がありますから、被害者が刑事事件にするのを嫌がることがあるのです。そのため、一定の軽微な犯罪は親告罪になっています。

 

 

| 告訴、告発の方法は?

 

告訴・告発は捜査機関に対して行います。警察や検察などです。場合によっては労働基準監督署のこともあります。どこの警察でも受理してもらえますが、被害に遭った場所を管轄する警察への申告をおすすめします。交番では受理してもらえないので注意しましょう。

告訴・告発は口頭ですることもできますが、被害内容を詳細に説明するために書面で行うことが多いです。いわゆる“告訴状”“告発状”と呼ばれているものですね。

 

 

| まとめ

 

1 告訴ができる人は限られます!

2 親告罪はプライバシーや被害者の意思などを重視!

3 告訴・告発は警察署へ行って書面を提出するのが一般的!



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