大阪中心部の地価は相変わらず…

見やすい地価動向調査レポートとして、これまでも何度かご紹介している国土交通省の地価LOOKレポート。3か月ごとに国土交通省が実施・公表している調査です。大阪府内では、西梅田、茶屋町、中之島西、北浜、心斎橋、なんば、OBP(大阪ビジネスパーク)、新大阪、福島、天王寺、阿倍野、豊中、江坂の13地点が対象になっています。

 

 

| 相変わらず堅調

 

大阪府内の13地点では前回の調査と同じ傾向です。6%以上の上昇地点は、西梅田、茶屋町、新大阪の3地点。3~6%の上昇地点は、中之島西、北浜、心斎橋、難波、福島、天王寺の6地点。0~3%の上昇地点は、OBP(大阪ビジネスパーク)、阿倍野、豊中、江坂の4地点です。

【6%以上の上昇地点】

・西梅田(商業)

・茶屋町(商業)

西梅田・茶屋町の“キタ”エリアは、賃貸オフィスの新規供給数が減っていて賃料の上昇傾向が強くなっています。オフィス賃料が地価の総合評価を押し上げている感じがあります。

・新大阪(商業)

新大阪エリアは、JRのおおさか東線が全線開通をして交通の利便性がよくなりました。支店や営業所を新大阪に設ける企業が多く、オフィス賃料が少しずつ上昇しているようです。また、投資物件の需要が強いようで、地価の総合評価は上昇しています。

【3~6%の上昇地点】

・中之島西(商業)

京阪本線淀屋橋駅周辺エリアに近い中之島駅・渡辺橋周辺のエリアです。オフィスが好調で、中之島美術館のオープンが2021年に控えていることから、オフィスだけでなくマンションやホテルの需要が見込まれています。

・北浜(商業)

OsakaMetro堺筋線の北浜駅、京阪本線の北浜駅周辺のエリアです。1階は店舗、2階以上は事務所として使用されているビルが立ち並んでいます。店舗の賃料はそれほど変わりませんが、オフィスの賃料は上昇しているようです。投資物件の供給が需要に追い付かない状態で、取引価格の上昇を招いているようです。

・心斎橋(商業)

・難波(商業)

心斎橋・難波エリアは物販や飲食店舗が多く、百貨店や商店街が一体となって商業機能を担っています。外国人観光客が多いためどこへ行っても外国人を見かけます。外国人観光客を狙ったドラックストアは供給過多になってきているようです。外国人観光客の動向次第で大きく変わるかもしれません。

・福島(住宅)

JR大阪駅から福島駅に徒歩圏のエリアです。生活の利便性が高く単身や夫婦世帯に人気があります。家賃はそれなりに高いですので、中津以北のマンションと競合するかもしれません。マンションの賃料の上昇はありませんが、分譲マンションの取引価格は上昇しています。

・天王寺(住宅)

近鉄大阪線大阪上本町駅の徒歩圏です。マンション開発はあまりない反面、富裕者向けのマンションの需要が強く供給が追い付いていない状態です。マンション分譲価格や賃料はあまり変化がありません。収益物件への投資の需要が強いですので、地価は上昇傾向にあります。

【0~3%の上昇地点】

・OBP(大阪ビジネスパーク)

OBP(大阪ビジネスパーク)は、大阪市の中心部にあるオフィスエリアと比較すると、立地条件が少し悪くなります。JR環状線の京橋駅やOsakaMetro長堀鶴見緑地線の大阪ビジネスパーク駅が最寄り駅になります。賃貸オフィスの需要が相変わらず好調のようですが、大阪市中心部の勢いはないようです。

・阿倍野(商業)

天王寺周辺の阿倍野は路面店の店舗需要が強い地域です。外国人観光客を中心とした顧客増加は現状ではあまり見込めないと思われますが、東京オリンピックの開幕する夏以降は盛り返すのではないでしょうか。

・豊中(住宅)

北大阪急行千里中央駅の徒歩圏です。ファミリー向けのマンションの需要が強い地域です。ただ賃貸マンションの供給が少ないため、70㎡の分譲マンションが賃貸に出るとおおよそ15~17万円の賃料になります。守口市では10万円程度ですので、人気の度合いが分かります。

・江坂(商業)

OsakaMetro御堂筋線の江坂駅周辺です。中層ビルや飲食店が立ち並んでいます。売買の対象になる土地がないため、取引価格は上昇しています。また、店舗賃料が上昇しており、特に店舗の入れ替えがあったときには賃料の上昇が大きいようです。

 

 

| まとめ

1 大阪キタエリアは6%以上の上昇!

2 大阪ミナミエリアは外国人観光客の動向次第!?

3 京橋や北摂は大阪中心部ほどの勢いはなし!?



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