2019年行政書士試験 民法検討 (問題46)

2019年の行政書士試験が11月10日(日)に行われてから1か月以上が経ちました。受験生の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。合格の発表は2020年1月29日(水)です。待ち遠しいですね。

合格発表までの間に2019年度の行政書士試験の択一だけを検討をする予定でしたが、記述式についても書きたいと思います。

今回は、2019年の問題46です。今回で民法の記述式の検討は終了です。

 

 

| 行政書士試験の民法検討(問題46)

 

民法の択一は問題27~35の9問です。記述式は問題45と46です。

【問題46】

この問題は全く分からなかった受験生が意外と多かったのではありませんか。

閃いても債権譲渡と間違えてしまったりするかもしれません。形としては、代金支払い請求権をAがCに譲渡したようにも見えます。ただ、売主(A)と買主(B)との契約では債権譲渡はできません。債権譲渡をするには譲渡人(A)と譲受人(C)との契約が必要です。ここまで考えると間違いに気付けるかもしれません。

売主と買主との契約は“第三者のためにする契約”と言います。“第三者のために”ですから、第三者が契約に納得しなければ成立しません。一般的には第三者は利益を享受しますから了承することが多いですが、実際には契約に負担がついていたりすることがありますので、第三者が契約に納得する必要があります。ここまで考えが至れば正解を導けます。

“第三者のためにする契約”は、当事者の一方が第三者に対して一定の給付をすることを約する契約です。

不動産取引ではこの“第三者のためにする契約”を使うことがあります。といいますのも、不動産売買の取引をすると所有権移転登記が必要です。登記をするには司法書士の報酬と登録免許税が必要になります。登録免許税は結構な高額になりますので、できれば節約したいと考えるのが通常です。

ある土地・建物について売主と買主がすでにいる場合、不動産屋は仲介をしてもいいのですが、売主から買ってから手直しをして買主へ売ることもあります。このような場合、登記にかかる費用を節約するために、売主と買主の許可を得て、売主から直接買主へ登記を移転することができます。その方法が“第三者のためにする契約”なのです。他人物売買が禁止される不動産屋でも“第三者のためにする契約”は例外とされています。

不動産取引で第三者のためにする契約を使う場合には、重要事項説明書や契約書に第三者のためにする契約であることを明記します。司法書士とも綿密な打ち合わせが必要になります。

話が脱線しました。問題46では、Aから時計を購入したBがCに対して代金を支払うことを約束する契約ですから、“第三者のためにする契約”になります。

“第三者のためにする契約”には2つの要件と4つの注意点があります。

[要件]

1 売主と買主の間で、第三者に対する給付を約束すること。

2 第三者の権利は、第三者が利益をうける意思表示をすること。

[注意点]

1 売主と買主の間の契約につく抗弁を第三者に対しても主張できる。

2 第三者は物権でも債権でも取得することができる。

3 第三者のためにする契約は“特約”として規定できる。

4 売主と買主の間での契約時点で、第三者が特定されていなくても特定しうるものであればよい。

以上から、“第三者のためにする契約”が成立するには、(1)売主・買間の第三者への給付の約束、(2)第三者の受益の意思表示の2つがあれば成立します。

本問では、AB間でCへの給付の約束はあります。あとはCの受益の意思表示があれば、“第三者のためにする契約”が成立します。

問題文に沿って解答を作っていきます。

(1) A・B間の契約を何というか。

[解答例] 第三者のためにする契約といい

(2) 誰が誰に対してどのような事をする必要があるか。

[解答例] CがBに対して50万円を受け取る意思表示をする必要がある。

これらを合わせて解答にします。

[解答例]

“第三者のためにする契約といい、CがBに対して50万円を受け取る意思表示をする必要がある。”(44字)

 

 

| まとめ

 

1 債権譲渡と間違えないように!

2 第三者のためにする契約と気付けるかどうかが肝!

3 第三者のためにする契約は不動産取引で使われます!



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