2019年行政書士試験 民法検討 (問題31~問題32)

2019年の行政書士試験が11月10日(日)に行われてから1か月以上が経ちました。受験生の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。合格の発表は2020年1月29日(水)です。待ち遠しいですね。

合格発表までの間に2019年度の行政書士試験の択一の検討をしたいと思います。

今回は、2019年の問題31、問題32です。

今年も残すところあと30分を切りました。みなさまにとって2019年はどのような年だったでしょうか。良いお年をお迎えください。

 

 

| 行政書士試験の民法検討(問題31~32)

 

民法の択一は問題27~35の9問です。

 

【問題31】

質権に関する問題です。妥当でない肢を選びます。質権には、動産質、不動産質、権利質があります。質権は穴になっていた受験生が多いと思います。

1 動産質の問題です。質権者は質物の占有を継続していなければ第三者に対抗することはできません。第三者に質物を奪われたときは、占有回収の訴えによって占有を回復することができます。基本的な問題だと思います。

2 不動産質の問題です。質権契約は要物契約ですから、質物を質権者に引き渡す必要があります。不動産質の対抗要件は登記です。

3 動産質の問題です。他人物に質権を設定した場合、質権者が質権設定者の所有物だと無過失で信じたときは、質権設定契約は有効です。即時取得の要件を満たす必要があります。

4 不動産質の問題です。引渡を受けた不動産を利活用せずに遊休地とすることは社会経済的にもったいないですから、質権者は目的不動産の用法に従って使用収益することができます。質権設定者の承諾は必要ありません。

5 権利質に関する問題です。債権にも質権を設定することができます。家を買った場合には、住宅ローンを組む金融機関が建物の火災保険の保険金請求権に質権を設定することがあります。

 

【問題32】

建物の転貸借に関する問題です。組合せ問題です。妥当なものを選びます。転貸借は三者間の関係を図に書きながら、合意解除や債務不履行解除での転貸借の取扱についても学習して欲しいと思います。問題32は基本的な知識で正答が分かります。解けてほしい問題です。

ア 承諾転貸の問題です。賃借人は転借人から転借料を貰う立場にありますから、転貸借が消滅してしまうと賃借人は転借料を貰えなくなります。賃貸人と転借人の都合で賃借人に損をさせるわけにはいきません。ですから、賃貸人と転借人の地位が混同しても転貸借契約は終了しません。少し難しい肢かもしれません。

イ 承諾転貸の問題です。賃借人の賃料不払いがあって賃貸借契約を解除することができる場合、賃貸人は転貸借契約に関係なく賃貸借契約を解除することができます。基本的な問題です。

ウ 承諾転貸の問題です。賃貸人と転借人の間に賃貸借契約は成立していませんが、賃貸人は転借人に対して直接転借料の支払を請求することができます。基本的な問題です。

エ 無断転貸の問題です。無断転貸ですから、原賃貸借契約と転貸借契約は全く関係がありません。賃貸人は、不法占拠者である転借人に対して、所有権に基づく建物の明渡請求ができます。

オ 無断転貸の問題です。無断転貸の場合、賃貸人は転借人に対して建物の明渡を請求できます。このとき、転借人は賃借人が担保を提供しない限り転借料の支払いを拒むことができます。この肢は難しいと思います。

 

 

| まとめ

 

1 穴になりやすい質権も一通りは勉強しましょう!

2 転貸借は押さえておくべき分野!

3 転貸借での地位の混同や転借料の支払拒絶は難しいかも!



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