2019年行政書士試験 憲法検討 (問題6~問題7)

2019年の行政書士試験が11月10日(日)に行われてから1か月以上が経ちました。受験生の皆さんはいかがお過ごしでしょうか。合格の発表は2020年1月29日(水)です。待ち遠しいですね。

合格発表までの間に2019年度の行政書士試験の択一の検討をしたいと思います。

今回は、2019年の問題6、問題7です。

 

 

| 行政書士試験の憲法検討(問題6~問題7)

 

問題1~2は基礎法学ですので割愛します。憲法の択一は問題3~7の5問、多肢選択は問題41の1問です。

 

【問題 6】

教科書検定の合憲性についての問題です。判例問題です。妥当でない肢を選びます。

1 国には必要かつ相当な範囲で教育内容を決定する権限があります。問題文のとおりです。国民の教育を一定水準で一律に行うためです。

2 教科書検定で不合格になっても一般図書としての発行は禁じられていません。教科書として使用できないだけです。

3 教科書検定は表現の自由への合理的で必要やむを得ない限度での制限とされています。問題文のとおりです。

4 教科書検定は学問の自由を害しません。問題文のとおりです。

5 行政処分にも憲法31条の法定手続きの保障が及ぶ可能性はありますが、行政手続の多様性から常に告知・弁解・防御の機会が必要とは限りません。問題文のとおりです。

 

【問題 7】

裁判官の身分保障、表現の自由についての問題です。判例問題です。妥当な肢を選びます。

1 弾劾裁判所は国会に設置されます。衆議院議員・参議院議員各7名の計14名で構成されます。懲戒は裁判所内の訴訟手続として裁判(分限裁判)が行われます。

2 裁判官の懲戒処分は“戒告”か“1万円以下の過料”しかありません。それ以上は弾劾裁判による“罷免”です。実務上は口頭による厳重注意もあります。

3 中立・公正が要求される裁判官は、一般的な国家公務員に比べて強い政治活動の禁止の要請が働きます。問題文のとおりです。

4 政治運動の場合には目的効果基準は使われません。表現の自由の違憲審査基準にはいろいろあり、厳格な基準(目的が必要不可欠、必要最小限度の手段)、明白かつ現在の危険の基準(害悪が明白・重大・時間的切迫、必要不可欠の手段)、厳格な合理性の基準(目的が重要、手段と目的に実質的関連性)、LRAの基準(より制限的でない他の方法の有無)、合理的関連性の基準(目的が正当、手段と目的に合理的関連性)があります。判例によれば、目的の正当性、目的と手段との合理的関連性、利益衡量の3点で判断するとされています。ほぼ合理的関連性の基準と同じです。

5 裁判例によれば、“品位を辱める行状”とは、職務上の行為であると、純然たる私的行為であるとを問わず、およそ裁判官に対する国民の信頼を損ね、または裁判の公正を疑わせるような言動とされています。著しく品位に反する場合のみに限定されているわけではありません。

 

 

| まとめ

 

1 行政処分にも法定手続きの保障が及ぶ可能性があります!

2 教科書検定に不合格でも一般図書としての発行は可能!

3 裁判官は一般公務員よりも厳しい規制に服する!?



ブログランキングに参加しています。ボタンをクリックしていただけると更新の励みになります。右のサイドバーからもぜひ!(スマホの方は下部のバナーから!)


にほんブログ村 企業ブログへ
Translate »