守口市の西端市長が宅建業法違反!?

2019年の6月にニュースになった話題を今更ですが、守口市の西端市長が有限会社西端地所で宅建業法に違反して重要事項説明を行っていたようです。それだけではなく、常勤でなければいけない専任の宅建士を雇用していなかったことが明らかになりました。

このニュースを題材にして宅建士の配置について宅建業法を復習します。

 

 

| 市長が故意に宅建業法違反

 

数カ月前のことですが、守口市の市長が宅建業法に違反していたことがニュースになりました。世間的にはあまり話題にならなかったのですが、守口市近郊の不動産屋では話題になりました。

ニュースによりますと、守口市の西端市長が取締役を務める有限会社西端地所(社長は妻)が、去年7月までの約15年もの間、常勤の宅建士を置かずに非常勤の知人が専任の宅建士を務め、知人の宅建士と連絡が取れなくなった3年ほど前から宅建士資格のない西端市長やその妻が重要事項説明をしていました。

ここでの宅建業法違反はいくつかあります。

1 専任の宅建士を置いていないこと

宅建業法では専任の宅建士を必ず設置しなければいけません。専任の宅建士は常勤でなければいけませんから、免許の取得時や更新時では専任の宅建士の常勤性を証明するために社会保険の加入を確認されます。社会保険に加入していないと常勤だと認められないのです。

その他にも、住居と事務所の所在地から通勤できる範囲内かどうかなども確認されます。通常はかなり厳しくチェックをされる項目ですから、ここをすり抜けるのは何かしらの不正な手段を使わないといけないと思います。

<罰則>

宅建業法15条3項違反 100万円以下の罰金

2 非資格者が重要事項説明書および契約書に記名押印していたこと

非常勤の宅建士と連絡が取れなくなってからの3年間は、重要事項説明書と契約書に宅建士が記名押印していなかったことになります。しかし、重要事項説明書と契約書には宅建士の記名押印欄がありますから、この欄を空欄にしないためには宅建士でない者の名前で記名押印するか、宅建士の名義を借りて記名押印するしかありません。

宅建士でない者の名前で記名押印していたのなら宅建業法違反になります。

<行政処分・罰則>

宅建業法35条違反 1年以下の業務停止処分

宅建業法37条違反 50万円以下の罰金

3 非宅建士が重要事項説明をしたこと

重要事項説明は宅建士が行わなければいけません。宅建士でない者が重要事項説明をすると宅建業法違反になります。

<行政処分>

宅建業法35条違反 1年以内の業務停止処分

4 重要事項説明のときに宅建士証を提示していないこと

重要事項説明のときには宅建士証を相手方に提示して、説明の間はずっと見えるところに置いておきます。宅建士証を提示しないと宅建業法違反になります。

<罰則>

宅建業法35条4項違反 10万円以下の過料

5 宅建士の名義貸しが行われたこと

専任の宅建士は常勤ですが非常勤の宅建士しかいなかったとのことですから、専任の宅建士の名義貸しが行われていた可能性があります。これも宅建業法違反です。

<罰則>

宅建業法15条3項違反 100万円以下の罰金

6 業者票の掲示をしていないこと

不動産屋は“宅地建物取引業者票”を事務所に見やすいところに掲示しなければいけません。業者票に記載される項目には次のものがあります。

(1) 免許証番号

(2) 免許有効期間

(3) 商業又は名称

(4) 代表者名

(5) 専任の宅建士の氏名

(6) 主な事務所の所在地

このうちの専任の宅建士の氏名が空欄であるか虚偽ですから、業者票の提示をしていないことになります。これも宅建業法違反です。

<罰則>

宅建業法50条1項違反 50万円以下の罰金

7 従業者名簿を備えていないこと

専任の宅建士は常勤でなければいけませんから、非常勤の宅建士だけでは正当な従業者名簿を備えることができません。非常勤の宅建士を常勤のように記入していれば虚偽の従業員名簿ですし、必要事項を記入していなければ正当な従業者名簿ではありません。これも宅建業法違反です。

<罰則>

宅建業法48条3項違反 50万円以下の罰金

8 免許取得時または更新時に虚偽の記載をした免許申請書を提出したこと

常勤であるべき専任の宅建士がいないのに、あたかもいるかのように虚偽の記載をした免許申請書を提出しています。これも宅建業法違反です。

<罰則>

宅建業法4条1項・2項違反 100万円以下の罰金

 

これらをまとめると、(1)4条違反で100万円以下の罰金、(2)15条違反で100万円以下の罰金、(3)37条違反で50万円以下の罰金、(4)48条違反で50万円以下の罰金、(5)50条違反で50万円以下の罰金の併合罪になりそうです。結局、150万円以下の罰金と1年以下の業務停止処分になるのでしょうか。

15年間もの悪質な宅建業法違反行為でも、この程度の罪や行政処分ですみます。個人で営む零細の不動産業者でも宅建業法を守って営業しています。利益を追求して法律を蔑ろにすることは、行政庁の長としてはあってはならないことです。

西端市長にしてもその妻にしても宅建業法違反で罰金刑になると、西端地所の他兼業免許が取り消される可能性がありますね。

 

 

| まとめ

 

1 守口市長は15年間で8つの罪を犯してる!?

2 虚偽申請や宅建士を置かないことは重い罪!

3 罰金刑になったら宅建免許が取り消される!?



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