2019年9月30日に公表された総務省の統計“平成30年住宅・土地統計調査”によりますと、空家は8,489,000戸で空家率は13.6%だそうです。
この調査では、空家以外にも、総住宅数と総世帯数、居住世帯の有無、住宅の所有の関係、住宅の規模、持家の購入・新築・建て替え等、借家の家賃・間代、高齢者のいる世帯の状況、現住居以外の住宅を所有している世帯が公表されています。
今回は空家率を中心に見てみたいと思います。
| 空家数も空家率も過去最高
居住世帯のない住宅のうち、空家は8,489,000戸で、前回調査の2013年に比べて293,000戸増加しています。約3.6%の増加になります。
空家の内訳を見ますと、賃貸用の住宅が4,327,000戸、売却用の住宅が293,000戸になっています。別荘などは381,000戸、その他の住宅が3,487,000戸だそうです。
2013年と比べますと、賃貸用の住宅で0.8%増、売却用の住宅で4.9%減、別荘などで7.5%減、その他の住宅で9.5%増でした。
売却用の物件や別荘などの持家の空家数は減っているようです。その反面、賃貸用の物件や長期間不在の住宅がかなり増えています。
空家率は、2013年の調査では13.5%でしたが、2019年の調査では13.6%と少しだけ高くなりました。
| 空家率は最近高くなり始めたの?
この調査は5年おきにされていますが、実は空家率は1958年からどんどん増えています。
1958年:2.0%
1963年:2.5%
1968年:4.0%
1973年:5.5%
1978年:7.6%
1983年:8.6%
1988年:9.4%
1993年:9.8%
1998年:11.5%
2003年:12.2%
2008年:13.1%
2013年:13.5%
2018年:13.6%
この推移を見ますと、近年の空家率はそれほど急に伸びていません。1950年代~1980年代くらいの方が空家率の上昇は大きいです。
問題は空家数の増加と危険家屋数の増加ではないでしょうか。空家数の推移を見てみます。
1958年:360,000戸
1963年:522,000戸
1968年:1,034,000戸
1973年:1,720,000戸
1978年:2,679,000戸
1983年:3,302,000戸
1988年:3,940,000戸
1993年:4,476,000戸
1998年:5,764,000戸
2003年:6,593,000戸
2008年:7,568,000戸
2013年:8,196,000戸
2018年:8,489,000戸
5年間でおおよそ50~100万戸ずつ空家が増えています。1970年代、1990年代、2000年代は100万戸ほど増えていました。
これだけ増え続けると、当然に危険な空き家も増えてきます。危険な空き家は数が大きな意味を持っています。危険なものが近隣にあるのは怖いですものね。
| 大阪はどうなの?
大阪の空家率をみますと、15.2%で全国平均を上回っています。全国的に空家率が高いのは、山梨県(21.3%)、和歌山県(20.3%)、長野県(19.6%)、徳島県(19.5%)、高知県(19.1%)、鹿児島県(19.0%)あたりです。地方が多いですね。
逆に空家率が低いのは、埼玉県(10.2%)、沖縄県(10.4%)、東京都(10.6%)、神奈川県(10.8%)、愛知県(11.3%)あたりです。都市が多いですね。
東京都、埼玉県、神奈川県、愛知県などの空家率が低いのに比べて、大阪府の空家率はかなり高いことが分かります。大阪には、関東や中部の中心部とは異なる状況があるのでしょうか。確かに古い家屋は多く、平野は狭いですが…。
| まとめ
1 空家数も空家率も過去最高を記録!
2 空家は約30万戸も増加!
3 大阪は関東や中部とは異なる状況なのかも…!