許認可を申請したのに不許可になるパターンと不服申立ての制度については、前回の記事、“許認可が不許可になったらどうしたらいい? ~不許可の理由と行政不服審査制度~”で書きました。
今回は不服申立てをする方法について書きたいと思います。
| 不許可になるパターンと不服申立制度
許認可や不服申立制度はややこしいですので、簡単に前回の記事をまとめておきます。
1 不許可になるのは、書類の不備や許可の要件を満たしていないから。
書類の不備・不足、管理者の資格・事務所の有無・必要な資金の額など不許可の理由がハッキリとしている場合と、行政側が独自に調査をして不許可になる場合があります。
2 不許可になった場合の救済手段は、訴訟をするか行政不服審査制度を活用すること。
行政訴訟をすることもできますが時間もお金もかかります。行政不服審査制度は訴訟に比べて簡便な方法です。2016年の改正法施行で使いやすくなったと言われています。
| 不服申立てをするにはどうすればいいの?
不服申立ては“審査請求書”を提出して行います。審査請求書には次の事柄を書きます。
1 審査請求人の住所と氏名、連絡先
不許可処分を受けた会社や人の住所や氏名などを記載します。
2 審査請求に係る処分の内容
どのような不許可処分を受けたのかを書きます。
3 審査請求に係る処分があったことを知った年月日
不許可の通知を受けた年月日を書きます。不許可のはがきを受け取った日です。
4 審査請求の趣旨
審査請求で求める内容を書きます。たとえば、“建設業の許可の申請をしたが、代表取締役が欠格事由に該当するとして不許可処分を受けた。不服なので建設業の許可処分をしてもらいたい。”のように書きます。
5 審査請求の理由
審査請求をする理由を書きます。たとえば、“代表取締役は欠格事由に該当に該当しておらず、欠格事由に該当するとしてなされた不許可処分は不当だからである”のように書きます。
6 処分庁の教示の有無及びその内容
教示は、“この処分に不服がある場合には、はがきを受け取ってから3か月以内に◯◯へ不服申し立てをすることができます”などの文言のことです。不許可のはがきなどに書かれています。
7 添付書類
不許可のはがきや許可申請書の副本の写しなど必要に応じて添付します。
このような不服申立ては弁護士の職務でしたが、許認可の専門家である行政書士が携わることができることになりました。ただ、全ての行政書士が不服申立ての代理人になれるわけではありません。“特定行政書士”だけができます。
特定行政書士は行政書士会で講習を受けて試験に受かった行政書士です。講習や試験は年に1回しかありませんし、かなり長時間の講習になりますので忙しいとなかなか受講できません。
しかも、特定行政書士の扱える不服申し立ては、行政書士が関与した許認可の申請が不許可になった場合です。不許可になって不服申立てをする可能性を考えると、許可の申請も行政書士に依頼した方が安心できます。
行政書士が相談を受けて話を聞いたうえで許可を取れる可能性が低いと判断すると、行政書士は依頼者にそのことをお伝えするはずです。ですので、無理な申請をすることは少なくなります。
| まとめ
1 不服申立てをするには“審査請求書”と添付書類を提出!
2 ご自身で不服申し立てをすることが可能!
3 許認可のプロである行政書士に依頼すると安心!