離婚をするときにはろくに話し合わずに勢いで離婚届を出してしまうことがあります。しかし、小さなお子さんがいる場合の養育費や面会の頻度などはしっかりと決めておくことをおすすめします。今回は離婚協議書などの作成について書きたいと思います。
| 離婚した後に養育費は請求できない?
離婚をしてしまうと夫婦は他人になってしまいます。他人になればお子さんの養育費を請求できないと思われる方が多いと思います。しかし、両親には子供が経済的に自立するまで扶養する義務があります。これは親権者かどうかに関係がありません。養育費は親権者が貰うのではなくお子さんが貰うのです。
養育費は基本的に将来に向かって請求します。お子さんが“20歳になるまで”または“大学を卒業するまで”のようになります。ところが、以前から養育費の請求をしているけれども支払われていないような場合には、過去にさかのぼって請求することが認められることがあります。
では、自分や相手が再婚した場合は請求できるでしょうか。監護をする親が母親で再婚した場合、再婚相手と子供が養子縁組をすると養育費を請求できません。養子縁組をしていなければ養育費の請求ができます。ただ、支払額は少なくなる可能性があります。
監護をする親が母親で離婚した父親が再婚した場合、父親は扶養義務から逃れられませんので養育費の支払いをしなければいけません。
養育費の金額は養育費算定表を使って算出されます。たとえば、子を監護する親が母親で父親に養育費の支払い義務がある場合、父親の年収が400万円、母親の年収が200万円だとすると、お子さん1人で月額4万円前後です。お子さん2人では月額5万円くらいです。
父親の年収が600万円、母親の年収が300万円だとすると、お子さん1人で月額6万円前後です。お子さん2人では月額7万円くらいです。
これらの金額はお子さんの年齢によって変わりますし、住宅ローンの有無などの個別事情によっても変わります。
| 離婚協議書と公正証書の違いは?
離婚での話し合いの結果を書面にする場合、離婚協議書を作成するケースと離婚公正証書を作成するケースがあります。どちらにもメリットとデメリットがあります。どちらが良いかは何を重視するかによって変わります。時間や費用を重視するならば離婚協議書、証拠能力や強制執行を重視するなら離婚公正証書がおすすめです。
1 離婚協議書のメリット
・書面にすれば証拠になる。
・費用があまりかからない。
・時間があまりかからない。
・夫婦のみで作ると費用は0円。
2 離婚協議書のデメリット
・内容がおかしければ無効になる可能性がある。
・偽造される可能性がある。
・紛失する可能性がある。
・離婚協議書に違反した場合、裁判をしないと強制執行ができない。
3 離婚公正証書のメリット
・内容の確実性が高い。
・証明力と証拠力が高い。
・紛失しても再発行ができる。
・離婚協議書に違反した場合、裁判をせずに強制執行ができる。
4 離婚公正証書のデメリット
・公証人への手数料が必要。
・専門家に依頼すると報酬が必要。
・作成に時間がかかる。
・相手が公正証書の作成に同意しない。
| まとめ
1 基本的に過去の養育費は請求不可!
2 再婚すると養育費を貰えなくなる可能性も!
3 離婚協議書と離婚公正証書を選択可能!