| 近年の大規模な自然災害の増加
平成29年7月の九州北部での豪雨や平成30年7月の中国地方での西日本豪雨など、雨による大規模な自然災害が近年増加しているように感じます。豪雨による災害には、河川の氾濫、道路の冠水、住宅の浸水、地下の水没、鉄砲水や土砂崩れなどがあり、多くの被害を出しています。
国土交通省の水害レポート2017では、近年“雨の降り方の変化”があると書かれています。1時間あたり50㎜を超える短時間降雨は、昭和51年~昭和60年の10年間で平均174回/年だったのが、平成19年~平成28年の10年間では平均232回/年と1.3倍に増加しているそうです。
今後、急激に集中豪雨が減るとは考えにくいですので対策が必要になります。
| 自然災害から家を守る対策
国が行っている対策としては治水事業が挙げられます。ダムの建設、放水路の設置、遊水池の整備、堤防の建設、河道の掘削、砂防堰堤の建設、離岸堤の設置、下水道の整備など多岐にわたります。これらの公共事業は効果がありますが、我が家が将来おきる自然災害にあっても無事かどうかは分かりません。
個人的な対策としてはどのようなことができるでしょうか。命を守るためには、非常用持出品の備蓄・確認、避難場所への道順の確認、土砂災害警戒情報などへの注意、早めの避難など色々ありますね。
避難場所が分からないという場合には、市町村や国土交通省が提供しているハザードマップをご覧ください。ハザードマップはインターネットでもご覧になれます。浸水の危険性や過去の水害データが載っていたりしますので是非参考にしてください。
もう一つは危険な場所にある家は買わないということができます。市町村のハザードマップの浸水想定区域はかなり正確だと言われています。目安としては、0.5m未満の浸水で床下浸水(危険度Ⅰ)、0.5m~3mの浸水で床上浸水(危険度Ⅱ)、3m以上で1階部分が水没し2階部分へ浸水するといわれています(危険度Ⅲ)。200年に1度の豪雨(約90㎜/hr)では平野部の住宅地や商業地の多くの地域が0.5m以上の浸水の危険性があります。
このような水害に関する情報は、家を買うときに不動産屋が重要事項として説明します。ただ、説明義務はありませんので説明をしない不動産屋もいます。麻田不動産では過去の水害歴を調査しハザードマップとともにお渡しすることにしています。大切な家を守るための情報ですからお客様に必要な情報だと判断しています。
災害情報を含めて、家の売買では多くの情報が氾濫しています。国土交通省は一元化のためのデータベース作りを進めていますが、本格稼働が予定されていた平成30年もそろそろ終わります。
機会がありましたら国土交通省の一元化データベース、通称“不動産総合データベース”についてまとめたいと思います。
| まとめ
1 近年の雨の降り方は異常!
2 ダムや堤防の建設などでは家は守れない!?
3 市町村発行のハザードマップを活用しましょう!