労働市場のルールは多種多様 ~その6~

今回のシリーズは労働市場のルールをまとめています。基本法である雇用対策法から始めて、前回まで労働者派遣法をまとめました。

今回は高齢者の雇用のルールについてまとめたいと思います。

 

 

| 高年齢者雇用安定法

 

高年齢者雇用安定法と書いていますが、本当の名前は“高年齢者等の雇用の安定等に関する法律”といいます。現在は中高年齢者の就職が難しい状況ですので、再就職等の雇用を推進するために制定されました。この法律にはシルバー人材センターについても記載されています。

高年齢者雇用安定法は、定年の引き上げや継続雇用制度の導入などで高齢者の雇用の確保を推進したり再就職を促進したりして、高齢者の職業の安定や経済の発展に寄与することを目的としています。

 

 

| 定年年齢

 

定年を定めるときは、原則として60歳以上にしなければいけません。ただし、違反をしても罰則はありません。実態としては努力義務だと思われます。

例外もあります。工業法では坑内作業の場合は60歳未満で定年を定めてもOKです。

 

 

| 高年齢者雇用を確保するための措置

 

1 高年齢者雇用確保措置の原則

65歳未満で定年を定めている場合は、55歳以上の高年齢者を65歳まで安定的に雇用するため、次の措置のうちどれかを講じなければいけません。

・定年の引き上げ

・継続雇用制度の導入

・定年の定めの廃止

継続雇用制度は、高年齢者が希望するときには定年後も引き続いて雇用する制度です。

2 企業グループでの継続雇用制度の導入

継続雇用制度は、その会社自体で雇用する場合と企業グループ内で雇用する場合があります。企業グループは、子会社だけでなく親会社の子会社なども含まれます。

3 高齢者雇用推進者の選任

高齢者雇用推進者は、作業施設の改善やその他の諸条件の整備を図るための業務を行います。会社は高齢者雇用推進者を選任するように努めなければいけません。努力義務です。

 

 

| 再就職援助措置

 

常時雇用していて45歳以上65歳未満の労働者を解雇などする場合で、その労働者が再就職を希望するときは、再就職の援助に必要な措置を講ずるよう努めなければいけません。努力義務です。

 

 

| 求職活動支援書の作成など

 

解雇などで離職する45歳以上65歳未満の労働者が希望するときは、職務の経歴や職業能力など、再就職援助措置を明らかにする書面を作成して、離職する労働者に交付しなければいけません。

求職のためにハローワークへもっていくと、記載されている職務の経歴などを明らかにする書面の作成方法を助言してもらえます。

 

 

| 届出・報告

 

1 多数離職の届出

1か月以内に5人以上の高年齢者などを解雇などする場合には、最後の離職者が会社を辞める1か月前までに、ハローワークに届け出なければいけません。

2 雇用状況の報告

毎年6月1日現在の定年や継続雇用制度の状況などを7月15日までに、ハローワークを経由して厚生労働大臣に報告します。

 

 

| シルバー人材センター

 

シルバー人材センターは都道府県知事によって指定を受けた一般社団法人・一般財団法人です。公益社団法人の認定を受けているセンターもあります。いわゆる派遣業で、60歳以上の高齢者が登録をします。臨時的・短期的であったり軽易な業務が主です。

業務内容としては、初歩のパソコン指導や補修教室の講師などの専門技術職、ふすま張りや大工仕事、剪定や左官などの技術職、一般事務やあて名書き、電話番などの事務職など多岐にわたります。家事や福祉の援助、子育て支援などもあります。

 

 

| まとめ

 

1 高年齢者のためのルールが高年齢者雇用安定法!

2 継続雇用や再就職援助など様々な措置があります!

3 シルバー人材センターも高年齢者の雇用の一助に!



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