有給休暇が義務化!?

| 有給休暇を取ってますか?

 

安倍首相の続投が決まりましたが、アベノミクスの成長戦略も継続されると思われます。多くの対策や提言がなされてきました。その中で、2020年までに有給休暇取得率を70%とする目標値が定められています。

厚生労働省によりますと、2017年の有給休暇取得率は全業種で49.4%でした。約50%ですね。これを1年と少しで70%にするというのは無理があるように思います。

そこで、今年、有給休暇を義務化しようとする改正労働基準法案が国会に提出されました。その内容は、有給休暇が与えられる労働者に対して、計画的な取得予定がない場合、5日分は毎年時季を指定して与えなければならないとするものです。

例えば入社して半年がたった新入社員は10日の年次有給休暇が与えられますが、このうちの5日は時期を指定して休ませなければいけません。

実は現在の労働基準法でも時期を指定して年次有給休暇を与える制度があります。年次有給休暇についてまとめてみました。

 

 

| 発生要件

 

年次有給休暇は誰に対しても与えられるものではありません。発生する要件があります。

1 雇入日から6か月間継続勤務をしていること

2 全労働日の8割以上出勤していること

この2つの要件を満たしたときに年次有給休暇が与えられます。

全労働日は雇入れ日から6か月間の総歴日数から次のものを“引いた”日数です。

1 所定の休日

2 不可抗力による休業日

3 使用者側に起因する経営・管理上の障害による休業日

4 正当な争議行為によって労務の提供が全くなされなかった日

5 代替休暇取得によって終日出勤しなかった日

これらの1~5に該当する日は出勤日ではなかったことになります。

出勤日は労働日の内出勤した日数に次のものを“足した”日数です。

1 業務上負傷・疾病の療養休業期間

2 育児休業期間

3 介護休業期間

4 産前産後の休業期間

5 年休取得日

6 労働者の責めに帰すべき事由によるとはいえない不就労日

これらの1~6に該当する日は出勤したものとみなされます。

 

 

| 付与日数

 

年次有給休暇は全員が同じ日数を与えられるわけではありません。勤続年数によって変わってきます。

0.5年 10日

1.5年 11日

2.5年 12日

3.5年 14日

4.5年 16日

5.5年 18日

6.5年 20日

6.5年以上の勤続年数の場合はすべて20日です。年次有給休暇の権利は2年で時効になりますので、未消化の日数は翌年度に限って繰り越すことができます。

 

 

| 比例付与

 

パートやアルバイトの方にも年次有給休暇が与えられます。ただし日数は少なくなります。

1週間の所定労働時間が30時間未満で、

1 1週間の所定労働日数が4日以下

2 1年間の所定労働日数は216日以下

のいずれかを満たす労働者が対象です。

1週間の所定労働時間が30時間以上の場合は、正社員と同様の要件をクリアすれば同じ日数が付与されます。

比例付与される場合は労働日数によって細かく分けられますので、詳しくは厚生労働省の“有給休暇ハンドブック”をご覧ください。

 

 

| 時間単位年休

 

年次有給休暇は時間単位で与えることができます。ただし、労使協定で次のことを定めていなければいけません。

1 時間単位年休の“対象労働者の範囲”

2 付与することができる“時間単位年休の日数”(ただし5日以内)

3 時間単位年休“1日の時間数”

4 1時間以外の時間を単位にするときはその時間数

時間単位年休の1日に時間数については、1日分の年次有給休暇が何時間分の時間単位年休になるのかを決めておかなければ、時間単位年休を取得した労働者が何日分の年次有給休暇を取得したのか分からなくなってしまうので、労使協定で定めておくのです。所定労働時間(例えば8時間)とされることが多いです。

 

 

| 時季の指定

 

原則として、労働者が有給休暇を請求すると与えなければいけません。しかし、繁忙期や重要な仕事をしているときに休まれると、同僚や会社は厳しい状況になります。そこで、使用者には時季を変更する権利があります。

労働者から請求された時季に年休を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合には、他の時期に与えることができるとされています。

時間単位年休も時季変更の対象になりますが、たとえば時間単位の請求を日単位へ変更することができません。時季の変更ではありませんものね。

また、派遣労働者の場合には、“事業の正常な運営を妨げる”かどうかは派遣元の事業で判断されます。派遣先ではないのでご注意ください。

 

 

| 計画的付与

 

労使協定の中で、年次有給休暇のうち5日を超える部分については労使協定で定めた時期に付与することができます。これが、冒頭で触れた時季を指定して有給休暇を与える制度です。

今後導入されることになりそうな5日間の義務化とは違い、5日を超える部分を時期を指定して強制的に休ませることができます。労働者からの時季の指定や使用者からの時期の変更はできません。また、時間単位年休を計画的付与で与えることができません。

 

 

| 年次有給休暇中の賃金

 

1 日単位によって取得する場合

就業規則等で定めた“平均賃金”または“所定労働時間を労働した場合に支払われる通常の賃金”になります。

労使協定で定めた場合には、健康保険の標準報酬月額の1/30とすることもできます。

2 時間単位によって取得する場合

次の式で求められます。

就業規則等で定められた“平均賃金”など ÷ その日の所定労働時間数 × 時間単位年休の時間数

 

 

| 不利益取り扱いの禁止

 

これはご存知の方が多いと思います。

使用者は、年休を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取り扱いをしないようにしなければいけません。

この言い回しでピンときた方もいらっしゃるでしょう。そうです、努力義務なのです。“~してはいけない”ではなく“~しないようにしなければいけない”ですからね。

沼津交通事件”という判例では、制度の趣旨・目的、従業員の不利益の程度によって年次有給休暇を取得することを抑制するものかどうかを判断しています。

 

 

| まとめ

 

1 有給休暇の取得が義務化されるかも!?

2 有給休暇の権利は2年で消滅!

3 計画的に有給休暇を与えることもできます!



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