| 入管法改正で新たに罰則を追加
入管法は日本に入国したり出国したりすることを管理する法律です。この法律が平成28年11月に改正されて、新たな罰則が追加されました。平成29年1月1日から施行されています。くわしくは“新入管法で初の逮捕者!”をご覧ください。
1 在留資格等不正取得罪(入管法70条1項2号の2)
虚偽の申立てなどの不正な行為を故意に行うと罰せられます。刑は3年以下の懲役もしくは禁固もしくは300万円以下の罰金です。
2 営利目的在留資格等不正取得助長罪(入管法74条の6)
在留資格の不正取得をお金儲けの目的で手伝うと罰せられます。刑は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金です。1の在留資格等不正取得罪と比べますと、禁錮がなく懲役だけになっている分だけ重くなっています。
外国人が有罪で長期の懲役刑になれば強制的に国外へ退去させられます。
| 新規定で新たな逮捕者
平成29年6月に行政書士が新入管法の規定に違反した容疑で逮捕されたと報道されました。最近になってまた新入管法違反の容疑で行政書士が逮捕されたとの報道がなされました。平成30年6月6日の報道によりますと、神奈川県警が行政書士ほか3人を逮捕したそうです。
この行政書士は、父親が設立したペーパーカンパニーで中国籍の女性を社員にするなどして在留資格の更新をし、報酬を得ていたそうです。2015年6月以降、47人の中国籍の人から計700万円を受け取っていたとのことです。
虚偽の申請をした中国人女性も資格外活動の容疑で逮捕されていますが、この女性は行政書士に報酬と毎月の手数料を支払っていたと供述しています。当の行政書士らは容疑を否認しているようです。
平成29年6月の事件も中国人女性でしたが、きちんとした中国人女性の在留更新手続が偏見の目で見られなければいいですね。
外国人を雇われる経営者の方は、在留カードの表面にある“就労制限の有無”を必ず確認してください。
経営者が虚偽の事実を知りながら在職証明書に押印した場合も違法です。ご注意ください。
神奈川県行政書士会はコメントを出して遺憾であると述べています。
| まとめ
1 新入管法では虚偽の申請に新たな罰則を追加
2 47人の違法申請で700万円を荒稼ぎ?
3 経営者の方も事実確認はしっかりと!