5年間で住宅が変わった!?

| 住宅金融支援機構の調査結果

 

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)が平成29年にフラット35の検査に合格した木造住宅の調査結果を発表しました。調査結果はこちら

住宅金融支援機構は住宅ローンの資金融通を支援する機関です。フラット35などの証券化支援業務、融資保険業務、直接融資業務などを行っています。一般的にフラット35の親玉ですね。

この調査は5年に一度行われていて、適合証明検査機関が調査票に記入した内容を3000件ピックアップしています。調査項目は、住宅の構造、基礎、窓サッシ枠・窓ガラスなど61項目に及びます。

この5年間で大きく変わったところを拾い上げたいと思います。

 

 

| 住宅の構造

 

平成21年に準耐火の枠組みが変わりまして、“準耐火(省令準耐火)”の設計ができるようになりました。準耐火(省令準耐火)で設計された住宅は、火災保険料や地震保険料が安くなるというメリットがあります。

前回の調査、平成24年度を見ますと、木造(耐久性あり)が77.3%、準耐火(省令準耐火)が18.0%、準耐火(イ準耐・ロ準耐)が4.7%でした。平成29年度では、準耐火(省令準耐火)が増えて27.3%になっています。その分だけ、木造(耐久性あり)と準耐火(イ準耐・ロ準耐)が減っています。

新築一戸建の建売住宅で、火災保険料や地震保険料の軽減を売りにした住宅が増えてきたのでしょうね。

 

 

| 通し柱の寸法

 

通し柱は住宅の土台から軒までを貫いたつなぎ目のない柱のことです。建物の四隅に用いることで建物を一体化して耐震性や耐久性を高める役目を担っています。

平成24年度の調査では、12㎝角の通し柱を使っている住宅が71.5%ありました。10.5㎝角は18.1%、通し柱なしが9.4%でした。ところが、平成29年度では、12㎝角を使っている住宅は49.7%に激減しました。逆に増えたのは、10.5㎝角(28.4%)と通し柱なし(21.3%)です。

原因としては、パワービルダーによるプレカットの材木を用いた薄利多売の隆盛や接合部に用いる金物の性能が良くなったことが挙げられます。パワービルダーの建てた住宅でも耐震性は十分にありますので、10.5㎝角の通し柱を使っているというだけでは耐震性・耐久性の良しあしを判断できません。金物も含めた耐震のための技術が大きく進歩したのでしょうね。

 

 

| 窓サッシ枠

 

以前は窓のサッシと言えばアルミでした。平成7年度から平成24年度までの調査では、アルミの窓サッシ枠の利用はおおむね70~80%で移行しています。平成29年度の調査では大きく様相が変わって、アルミ製は38.3%にすぎません。大きく増えたのがプラスチック製(23.1%)、木又はプラスチックと金属の複合材料製(32.8%)です。

プラスチック製や複合材料製は断熱性に優れていて、冷暖房のランニングコストが抑えられます。複合材料製は性能とコストのバランスが良いと言われていますので急増したのでしょうね。もちろん技術の進歩のなせる業です。

 

 

| 屋根の形状

 

以前は、住宅の屋根といえば切妻か寄棟、屋上が欲しい人には陸屋根でした。近年は寄棟が大きく減って片流れが増えています。

寄棟は古い家屋によくみられる形状です。切妻は多くの住宅で採用されています。ちょうどよいイラストが見つからなかったのですが、こんな感じです。

神社やお寺で貰った古くなったお守りなどを納めるためのお祓い箱(お払い箱)が置かれた納所のイラスト
切妻の例です。
昔ながらの藁葺き屋根の家のイラスト
寄棟の例です。

 

片流れにすることで屋根の一面が広くとれるようになりますので、太陽光発電の普及が原因だと思われます。寄棟でも太陽光発電設備を設置している住宅も見かけますが、太陽光設備を設置している住宅に一番多いのは切妻で、次に片流れではないでしょうか。

屋根の上に大きなソーラーパネル(太陽光発電)をつけた一軒家のイラスト
切妻の屋根に太陽光発電設備を設置した様子。

 

 

| まとめ

 

1 準耐火(省令準耐火)が大幅増!

2 通し柱のない住宅も増えてます!

3 窓サッシ枠は断熱性重視!

4 屋根の形状の変化は太陽光発電が原因!?



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