“白トラ”と貨物自動車運送業

| “白タク”ならぬ“白トラ”で逮捕

 

数日前、運送業の許可を取らずに“白ナンバー”のまま青果運送業を営んだとして、加西署がトラック運送業者社長を逮捕したというニュースがありました。貨物自動車運送業法違反です。

以前からもよくニュースになる“白トラ”営業。そもそも運送業をするのに許可が必要な理由は何でしょうか?私は知りませんでしたが、実は運送業界で昔からある雇用形態が原因だそうです。正規では、会社が運送業の許可を取って運行管理者や運転手などの従業員を雇い、社会保険にも加入して営業します。

しかし“個人償却制”と呼ばれる雇用形態では、会社がローンで買ったトラックを運転手が運転するのですが、トラックのローン、ガソリン代、車両の保険料などの経費を全て運転手が負担します。会社は顧客からもらう運送料の中から手数料を取って運転手に仕事を割り振ります。運転手は会社から受けた仕事をこなして運送料の大半を貰います。この方法だと、会社はリスクを負うことなく手数料が手に入り、運転手は仕事のペースを自分で決められる上に経費を差し引いても普通に働くよりも高収入を得られます。運転手は事実上個人事業主です。

そうすると、運転手は収入を増やすためにドンドン仕事を受けて長時間の運転をするようになります。過労運転による事故が起きる原因の一つです。このような事故を防ぐために、貨物自動車運送業法は運送業を許可制にしているのです。

 

トラックの運転手のおじさんが、自分のトラックの前で腕を組んで笑っているイラスト

 

 

| 運送業許可の種類と許可の要件

 

貨物自動車運送業には次の3種類があります。

1 一般貨物自動車運送事業

取引先が2社以上あって複数の荷主の荷物を運ぶ場合です。トラックでの通常の運送業はこれに該当すると思います。

2 特定貨物自動車運送事業

取引先は1社のみで決まった荷主の荷物を運ぶ場合です。子会社で親会社の荷物のみを運ぶ場合などでしょうか。

3 貨物軽自動車運送事業

軽自動車を使い、報酬をもらって他人からの依頼を受けて荷物を運ぶ場合です。

 

手引きによると、運送業の許可を取るには大きく分けて5つの条件を満たさなければいけません。

1 運転手・運行管理者・整備管理者

霊柩などの例外はありますが、運転手は5人、運行管理者は1人、整備管理者は運転手や運行管理者と兼任できます。都合6人必要です。運行管理者や整備管理者は厳しい要件が課せられています。

2 事務所と休憩室

事務所が必要なのは分かりますが、運転手のための休憩室も必要です。

3 駐車場

駐車場に十分な広さがなければいけません。通常のトラックを使用する場合には、一般的な月極駐車場では広さが足りない可能性が高いです。また、駐車場の前面道路の幅員にも規定があります。

4 車両

一部の例外を除いて、車検証に“貨物”と書かれているトラックが5台必要です。

5 資金

運送業を始めるにあたっての資金を要求されます。人件費の2か月分、車両保険料1年分、事務所や駐車場の賃料半年分などかなりの金額を用意しなければいけません。

さらに、残高証明の提出を2回要求されます。1回目の申請時は時期をコントロールできますが、2回目の許可が出る直前の時期はいつになるか分かりませんのでコントロールできません。たとえば6月16日に運輸局から電話がかかってきて“5月31日の残高証明を出して欲しい”と言われる可能性があります。そうなると、申請時から許可が出るまで、資金をずっと動かさずにプールしておかなければいけなくなります。申請から許可までおおよそ3か月かかるようです。

1~5までの要件の中でもさらに細かい決まりごとが多くありますので、運送業を始めたいと思ったときには専門家を頼ってください。間違っても“白トラ”での営業はやめてくださいね。

 

 

| まとめ

 

1 兵庫県で“白トラ”営業をした社長が逮捕される!

2 運送業の種類は3種類!

3 運送業許可の要件は大きく5つ!



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