ペットの心配を解決する終活

| 年を重ねてもペットを飼いたい

 

通勤や通学、買い物などで外出するとペットに会わない日がないほど街中はペットを飼う人が多くいます。犬猫の推計飼育数は1800万頭とも2000万頭とも言われています。

年齢を重ねた方から“ペットより先に死んだらどうしよう”“ペットがいるから入院できない”といった心配事をたびたび耳にするようになってきました。また、“ペットを飼いたいけれど今から飼ったらペットだけが残されてしまう”という心配もあって、ペットを飼うことをためらっている方も多いでしょう。

(一社)ペットフード協会によりますと平成29年の調査で、60歳以上の高齢者のうち24%の方が犬を飼っていて、18%の方が猫を飼っています。ペットを飼いたいと思われている60代以上の高齢者は、犬が35%、猫が24%です。ペットを飼えないと思っている方の27%が“十分に世話ができない”と考えており、21%が“最後まで世話をする自信がない”と考えています。

この調査から、多くの高齢者がペットを飼っていたりペットを飼いたいと考えていたりすることが分かります。ペットを飼いたいと思っても十分に世話ができなかったり最後まで世話をする自信がなかったりして、ペットの飼育を断念しているのです。

 

 

| ペットのためにできること

 

ペットの将来が心配な高齢者の方は、ペットのための終活を始めてみませんか?自分の死後にペットの面倒を見てもらうための方法は2つあります。

1 遺言をする

遺言と言えば、配偶者や子に財産を分けるためにするのが通常です。そこで、遺言の中に負担の付いた遺贈をします。ここでの“負担”というのはペットの面倒をみるということです。遺言の中で“ペットの面倒をきちんとみないと財産を相続させません!”という意思表示をするのです。負担付の遺贈については“遺言に条件や負担をつける”をご参照ください。

このときのポイントは、“誰に頼むのか”、“遺言執行者の指定”の2つです。ペットの面倒を頼むのは信頼できる人でなければいけませんし、単に負担をつけるだけなく相手の承諾を取り付けておくことも大切です。また、頼んだ人がきちんとペットの面倒をみているのかをチェックする人を選んでおくとより安心です。

遺言でペットの面倒を頼む場合にもリスクがあります。ペットの面倒を見るための金銭を別のことに使い込んでしまったり、お金を受け取った後はペットの面倒を見てくれなかったり、他の相続人から文句を言われたことがきっかけでペットを他人に預けてしまったりすることが考えられます。このようなリスクを軽減するために遺言の内容と文言には注意が必要です。

2 信託をする

前回“家族信託という方法”で書きましたが、この信託という手段はペットの面倒を頼むときにも使うことができます。信託は財産を管理する仕組みですから、あなたの財産の中からペットのための財産を分けて管理することで、ペットの面倒をみるためだけに使うことができるのです。

遺言とは違ってペット信託は契約ですから、ペットの面倒をみないと契約違反になって損害賠償の対象になります。また、生前から効力を生じさせることもできますから、きちんと面倒を見てくれるのかどうかを試すことができます。

遺言と同じようにペット信託にもポイントがあります。“誰に頼むのか”、“どのような内容にするのか”の2つです。信頼できる人に頼むのはもちろんですが、お金の使い方をきちんとチェックする人を別に指定することが大切です。また、“どのような食事を与えるのか”、“ワクチンはどうするのか”、“病気やけがをしたときにどこの動物病院で治療するのか”なども決めておかなければいけません。

このようにペット信託にも気を付ける点があります。しかし、ペットに間接的に財産を残すことができますから、相続人同士の争いを避けることができます。亡くなった後、ペットだけなく相続人にも仲良くしてもらいたいと考えている方にはペット信託がおすすめです。

 

 

| まとめ

 

1 高齢者もペットを飼いたい!

2 死後のペットの世話は遺言か信託で!

3 遺言にも信託にもメリットとデメリットがあります!



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