今回は、公共工事の入札に必要な経営事項審査の申請について概要を書きたいと思います。
| 経営事項審査ってなに?
建設工事を公共工事として国や都道府県・市町村から請け負うときは、公共工事の入札に参加しなければいけません。ニュースで見る“入札で談合があった”などと報じられるアレです。
入札に参加するためには建設業の許可を付けて経営事項審査を受ける必要があります。
経営事項審査って何を審査するのでしょうか?責任をもって公共事業を請けるための経営状況の審査です。建設業者の施工能力、財務の健全性、技術力などをしっかりと審査するために、完成工事高、財務状況、技術者数などの客観的な項目を総合的に評価します。
審査項目は細かく規定されていて、ポイント制で〇〇点と出される仕組みになっています。
| どんなことを審査されるの?
審査される内容は大きく分けて次の5点です。
1 経営規模 (X1)
年間の平均完成工事高を審査します。
2 経営規模 (X2)
自己資本額と平均利益額を審査します。
3 技術力 (Z)
技術職員数、元請完成工事高を審査します。
4 労働福祉・法令順守など (W)
労働福祉の状況、営業継続の状況、法令順守の状況、経理の状況、研究開発の状況など様々な項目を審査します。
5 経営状況 (Y)
純支払利息比率、負債回転期間、売上高経常利益率、総資本売上総利益率、自己資本対固定資産比率、自己資本比率、営業キャッシュフロー、利益剰余金といった経営の健全性について審査します。
1~5を次の式にあてはめて総合評定値(P)を計算します。
P = X1 × 0.25 + X2 × 0.15 + Y × 0.20 + Z × 0.25 + W × 0.15
この式を見ると、経営規模や経営状況が大きな割合を占めていることが分かります。大きな公共工事は大きな会社しか請けられないのです。小さな会社はしっかりと利益を上げて黒字経営をすることが重要です。
1~4までのポイントは表を用いて機械的に算出されますので、ご自身で計算することができます。
| 申請はどうやってするの?
申請のおおまかな流れは次のようになっています。
1 決算変更届の提出
事業年度終了後4か月以内に消費税抜きで書類を作成して大阪府へ提出します。
2 経営状況分析の申請
経営状況の分析は大阪府ではなく他の機関が行います。登録経営状況分析機関といいます。ここに直接申請します。大阪府には(一財)建設業情報管理センター西日本支部があります。
3 経営事項審査の受審日の予約
経営状況分析結果の通知書を受け取りましたら、申請会場かFAXで予約します。受審希望日と時間帯を明記します。
4 経営事項審査の申請
予約した日時に書類をもって申請会場に行きます。提出書類・添付書類・提示書類、建設業許可申請書の副本の4種類ありますので、忘れないようにしてください。予約時間帯別の先着順の受付です。審査の過程で必要に応じて追加資料の提出や提示を求められることがあります。
5 経営規模等評価結果、総合評定値通知書の受領
郵送の場合、書類が完全に揃ってから22日程度で投函されます。手渡しの場合は、同じくらいで電話で連絡があります。
有効期間は決算日から1年7か月です。毎年受けるものだと思ってください。
| 審査っていくらかかるの?
経営状況分析と経営事項審査の申請には手数料がかかります。経営状況分析は約1万3000円程度、経営事項審査は1万1000円~7万8500円です。経営事項審査は審査する業種の数によって変わります。
1業種増えること後に2500円値上がりします。
次回から申請に必要な書類など具体的なお話を書いていきます。よろしくお願いします。
| まとめ
1 入札するには経営状況分析をして経営事項審査を受ける必要があります!
2 審査内容は経営状況や経営規模だけでなく技術力も審査されます!
3 審査機関は約3週間!早めの申請を!
4 審査手数料は業種が1つ増えるごとに+2500円!