マンションの駐車場問題

| マンションの駐車場って自分のもの?

 

近年の分譲マンションには駐車場が完備されています。駐車場に空きがあることを条件にマンションを探される方もいらっしゃいます。

 

綺麗な白いマンション(集合住宅)のイラスト

 

分譲マンションの場合、駐車場使用権を分譲する“分譲方式”と賃貸する“賃貸方式”があります。ほとんどは“賃貸方式”です。駐車場は皆で所有する“共用部分”とされて管理組合が運用・管理しています。管理組合が一括して管理できる以外にも、“賃貸方式”には利点があります。実は“分譲方式”よりも“賃貸方式”の方がお得なことが多いのです。

“分譲方式”だと購入代金だけでなく登記費用や固定資産税が必要ですし、専有面積が増えることで共用部分の持分が増えて管理費や修繕積立金が高くなります。車を所有しなくなった時にも処分に困ります。

“賃貸方式”の賃料は管理の費用として使われたり修繕積立金に充てられたりします。この管理費や駐車場の修繕積立金が、昨今問題になっています。下の方で書きますね。

 

 

| マンションに駐車場は必要?

 

近頃は車を保有する若い人は減ってきていますし、高齢者には運転免許証を返納するよう推奨されています。このような事情から、車を所有する人は近隣の駐車場を借りればよく、マンションには駐車場は必要ないとお考えの方もいらっしゃるでしょう。ごもっともです。

しかし、マンションに駐車場を設置することを義務付けている市町村が多いのです。たとえば、守口市。大規模マンションの場合、一般的な地域では1戸あたり0.5台以上、駅から500m以内なら0.4台以上の駐車場を確保しなければいけません。300戸のマンションならば150台分以上(一般地域)か120台分以上(駅近物件)の駐車場が必要です。

 

「P(パーキング)」の看板が立っている、駐車場のイラスト

 

門真市でも同じような決まりがあります。このようなルールを付置義務と呼んでいます。

寝屋川市には付置義務はありませんが、商業施設などには荷捌場所を設置するような指導がなされています。

このような行政のルールによってマンションに駐車場が必要な市町村が多くなっています。20年位前までは、1世帯に1台の車は普通でしたので社会的に必要なルールだったのでしょう。

しかし今は状況が違います。特に大都市圏では車の普及台数は少なくなってきています。平成27年の1世帯当たりの保有台数は大阪府で0.66台/世帯。これは平成8年の0.71台/世帯から考えるとかなり少なくなったと言えるのではないでしょうか。

しかも、近年は税制が変わって車が大型化してきています。そうすると、マンションに機械式駐車場があったとしてもサイズが入らず止められないという事情もあります。

他にも、マンションの駐車場の賃料が周辺の駐車場の相場よりも高くマンション居住者さえ近隣の安い駐車場を借りている場合や、駐車区画の位置や面積によって差のある賃料体系が採用されておらず不公平感がある場合もあります。

さまざまな理由が複合的に絡み合って、現在のマンションでは空き駐車場が増えてきています。

 

 

| 空き駐車場の何が問題?対策は?

 

駐車場が埋まらないことでの一番の問題は、管理費の不足や修繕積立金が計画通りに集まらないことです。

管理費が足りないと駐車場の劣化が早まり修繕費用が高くつきますし、修繕積立金が足りないと大規模修繕時に別途徴収しなければならなくなります。つまり、居住者のお金の負担が増えるのです。

 

ビルやマンションが絆創膏をはられて、綺麗に修繕されたイメージのイラスト

 

そこで、対策として様々な手が打たれています。例えば、外部に駐車場を貸し出したり、駐車場の賃料を値上げしたり、逆に駐車場の賃料を値下げしたりと四苦八苦しています。機械式駐車場から平面駐車場に変更するなどの対策をとるマンションもあります。

どのような手段を取るにしても、まずは居住者の方に広報することです。空き駐車場が増えていることを認識してもらって、できれば利用してもらう。それが無理でも駐車場の賃料の値上げなどの理解につながります。また、アンケートをして近隣の有料駐車場を借りている人数や賃料、車のサイズなどを把握しておくといいかもしれません。

駐車場の空き問題はすぐに解決するものではありません。10年、20年先を見据えて、管理組合の収支や修繕計画の見直しをしてみませんか?

 

 

| まとめ

 

1 マンションの駐車場は“賃貸方式”が大半!

2 マンションの駐車場の設置が義務になっている市町村も!

3 空き駐車場の対策は利用者のニーズを把握して!



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