所有者不明の土地に利用権設定!

| これまでの空き家対策

 

全国の行政書士が相続による所有者不明の空き家問題に取り組んできました。主に、空家の所有者や相続人の確定のための調査です。“空き家対策に本気!?”の記事でご紹介いたしましたが、国土交通省は空き家対策に本腰を入れて始めています。

“全国空き家対策推進協議会”を平成29年8月31日に設立し、実践的な空き家対策について政策提言を始めました。

 

誰も住んでいないため、屋根や壁が植物で覆われてボロボロに壊れている空き家のイラスト

 

 

| これからの空き家対策

 

国土交通省は、さらに所有者が分からない土地を自治体や民間事業者が公益性のある事業に利用できるよう、仕組みを作り出そうとしています。ここでは、土地を利用したい自治体や民間事業者が都道府県知事に土地の利用権の設定を申請します。知事は、市町村の意見を聞き決定します。利用期間は5年間程度の一定期間として、所有者が現れないときは更新します。

所有者が現れたときは、土地を元の状態に戻して所有者に明け渡すのが原則ですが、所有者がOKといえばそのまま利用し続けることができます。賃料に当たる金額を支払う必要はありますが、突然所有者が現れたときに過去の賃料相当額を一度に支払うのは現実的ではないため、事前に金銭相当額を法務局に供託しておくようにします。

公益性のある利用目的として、公園や広場、文化施設などを想定しています。営利性の強い商業施設や個人の住宅としての利用は無理でしょうね。保育園に使ったら待機児童の問題が解決に向かうかもしれません。

この制度は、2019年度の施行を目指して2018年に国会に法案を提出する予定になっています。公共性の事業をされている事業者は2019年を見据えて今から計画を立てて準備を始めておくとスムーズに新たな事業を始められそうですね。

 

 

| 農地のおなじような制度

 

農地では、所有者不明の耕作放棄地は都道府県知事が利用権を利用者に与えることができます(農地法43条)。こちらは農業委員会から農地中間管理機構(農地集積バンク)を経由して知事が決定します。農地中間管理機構が利用権を取得し、賃料相当額を支払う必要があります。農地を集積・集約したり農家を法人化したりして生産効率を上げることが行われています。

 

一面に広がる大きな田んぼのイラスト

 

農地中間管理機構は、主に東北や北陸、九州など農地の多い地域で活躍しています。大阪では平成28年度で集積率が約10%と低く、まだまだ小規模の農地が多くなっています。守口や門真は10%以下、寝屋川は10~20%といったところです。枚方市は農地管理事業の実績がまだありません。生産緑地の2022年問題の解決にも利用して欲しい制度です。

 

 

| まとめ

 

1 空き地の利用権を公共性の高い事業者に!

2 2019年に向けて今から計画を!

3 農地にも似たような制度があります!



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