都市がスポンジになる!?

| 都市のスポンジ化

 

“都市のスポンジ化”という言葉を耳にしたことはありますか?人口の多い都市部で空き地や空き家がランダムに発生し、多くの小さな穴が開いたスポンジのようになって都市の密度が低下することをいいます。

 

食器を洗うときなどに使う、黄色と緑に分かれた台所用のスポンジのイラスト

 

都市では空き地や空き家が増えてきています。主な原因は住む予定のない住宅を相続することだと言われています。このことは“不動産を相続したくない!?”でも書きました。ご参照ください。

また、市街地の中心では商店街の空き店舗や空き地が多くみられるようになってきています。ある調査によれば、空き店舗率10%を超える商店街は4割にも上るそうです。

 

商店街のお店が閉店して、シャッターだらけになってしまっている、シャッター通りのイラスト

 

 

 

| スポンジ化の問題

 

都市がスポンジ化することで大きく3つの問題が起こります。

1 都市の低密度化

都市の密度が低下すると、商店など生活に必要な施設が点在することになって生活の利便性が低下します。また、行政サービスやインフラの維持・管理などの効率が悪くなり、不必要な支出をもたらします。

2 空き地・空き家などの大量発生

空き地や空き家が増加すると、治安・景観・居住環境の悪化、災害の危険性が増します。例えば、廃材が蓄積したり、雑草が生い茂ったり、場合によっては不法投棄されたりします。

3 中心部の土地の低未利用

街の中心部は人が集まり商店が連なって活性化しているのが通常です。しかし、空き地や空き店舗が増えると都市全体の人やお金の流れが停滞し機会損失を生み出します。また、郊外へ需要が流出し、生活に必要な施設が中心部からなくなって郊外へ移動し生活の利便性が低下します。

 

 

| スポンジ化への対策

 

都市のスポンジ化に対して国土交通省も取り組みをはじめています。平成29年8月には対策を取りまとめ発表しました。概略をご紹介いたします。

スポンジ化が進行している地域への対処のほかに、まだスポンジ化がはっきりとしていない地域での予防的な対策が必要です。スポンジ化による空き地は、一時的に利用したり施設の敷地として利用したりゆとりのある空間づくりに利用したりとプラス面もあります。

1 スポンジ化が進行している地域への対処

市場性がある場合には市場に任せることになりますが、自治体は金融支援や広報などで後押しします。

また、近隣住民などにとって利用価値がある場合には土地を統合して整理します。一時的に家庭菜園として利用するなど、当面の需要や有用性を活かした利用方法を進めます。

さらに、サービス施設が休廃止する場合には、行政が利用調整を行えるような仕組みを検討します。

2 スポンジ化の予防的な対策

土地の利用に契約的な手法を導入することを検討しています。土地利用のルールを官民で設定し一定のエリアを管理できるようにします。

また、都市計画の実現に地域住民や民間団体などが寄与する活動をするときには積極的に認定したり支援したりできる仕組みを検討します。地権者が共同して土地の有効活用に向けて市街地の整備や施設の計画・整備・管理などを一体的に行う取り組みを進めるための方法を検討します。

 

「街づくり」をイメージした、建物のミニチュアを並べている人のイラスト

 

3 さらなる検討課題

スポンジ化の将来には、穏やかに土地の利用を縮小していくことも考えておかなければなりません。実現可能性の高い政策を検討する必要があり、論点の整理が十分でない項目については引き続き議論をしていきます。

 

 

| まとめ

 

1 街がスポンジのように穴だらけに!

2 スポンジ化で街の活力が失われる?!

3 国土交通省も委員会を設けて対策を始めました!



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